【終活】老人ホーム「値上げ」注意 介護・管理費…施設任せNG

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相続・終活マガジン

【終活】老人ホーム「値上げ」注意 介護・管理費…施設任せNG

2021/08/03

目次

    【終活】老人ホーム「値上げ」注意 介護・管理費…施設任せNG

    核家族化などを背景に有料老人ホームを終(つい)のすみかに選ぶ人が増えています。ただ、定期的に生じる費用の「値上げ」には注意が必要です。転居や退去が難しくなるシニア世代には生涯、支出が増えることになり、老後の資金計画に影響します。

     

    有料老人ホームの月額費用には家賃や食費・光熱費のほか、介護費や管理費があります。医療費や消費財を中心とした日常生活費も必要になります。

    入居時にまとまった金額を支払う前払い金(入金一時金)制度もあります。公益社団法人全国有料老人ホーム協会(有老協、東京・中央)によると、採用する施設は全体の3割程度となっています。施設側が設定した想定居住期間分の家賃に充てられ、相対的に月額費用を抑える効果があります。

     

    高齢者施設の費用は前払い金の有無などで上下しますが、有料老人ホームの場合、要介護になれば家賃などを含めた月額費用の総額は20万~35万円程度が相場です。年金だけで賄い続けるのは難しい水準で、貯金など資産の取り崩しが前提になることが多くなります。

     

    入居期間中の月額費用の増加も考慮する必要があります。特に介護費は変動要因が最も多い費目です。介護保険サービスを利用する場合、施設では要介護度ごとに料金が一律で、等級が上がれば自動的に値上げとなります。住宅介護のように、要介護度ごとの条件の範囲内で利用するサービスを選ぶのとは制度が異なります。

     

    特別養護老人ホームは原則要介護3以上しか入居できませんが、有料老人ホームは自立や要支援の段階で入居するケースもあります。都内のある施設では要支援1で8,000円弱たった自己負担額が要介護5だと約3万円まで跳ね上がります。

     

    公的制度の変更も念頭に置く必要があります。介護保険の自己負担は原則1割ですが、介護保険財政の悪化で自己負担割合の引き上げも議論されています。仮に原則2割となれば単純に自己負担額は倍になります。

     

    料金の改定を巡るトラブルが目立つのは管理費です。資金繰りがずさんな施設ではどんぶり勘定になりやすい面があります。介護や事務の職員の人件費、共用設備の維持管理修繕費なども含まれるためです。サービスの質につながる改定なのか、施設側の単なる収支改善策なのか見極めが重要です。

     

    厚生労働省の指導指針では、料金改定のルールを契約書などで明らかにし、根拠を入居者に明確に説明するよう求めています。有老協のガイドライン(https://www.yurokyo.or.jp/news.php?c=4)でも、収支や消費者物価指数、人件費を示し、入居者らの意見を聞くこととしています。

     

    改定理由に納得がいかない場合、自治体や有老協に相談することもできます。消費者契約法が適用される場合もあり、不当な値上げは無効となります。本来は非課税の介護サービス費について「消費税率アップに伴う1万円の強の値上げ」などのケースが現実にあり、それが消費者契約法に該当する可能性があります。

     

    質の低下で事実上の値上げとなる分野もあります。典型的なのが食事です。業者の入れ替えなど同じ料金で食材費を抑えるだけで収支改善につながり、施設側が着手しやすい費目です。食事の質は契約書でも明文化されておらず、低下した場合の対抗手段が乏しいのが現実です。施設選びで重視し過ぎると損した気持ちも大きくなるので、注意したいところです。

     

    90日間の短期解約制度を活用し、日常的な費用負担の実態を把握するというのも一考です。また、入居後は施設側とコミュニケーションも大切です。要介護認定など費用に直結する対応に影響が出るためです。

     

    たとえば、施設側の安全管理上の理由で、杖(つえ)で歩ける人が車椅子での移動に頼ってしまうパターンです。本人の価値観によるので、是非は一概に判断できませんが、一旦上がった要介護度を下げるのは簡単ではありません。

     

    入居者の判断能力の低下などで、結果的に過剰なサービスが発生する場合もあります。通販サイトの普及で差し入れの機会も減り、コロナ下で施設への足も遠のきがちですが、不要な損失を防ぐには、家族が施設任せにしない姿勢も求められそうです。

     


    この記事は終活を考えている人、終活をやっている人のために、参考になればと書かれています。終活について、ご質問、ご相談があれば、お気軽に「終活について教えて欲しい」とご連絡ください。「終活」のアドバイザーがお答えします。あなたの大切な「終活」を充実した「終活」にしていただくために、終活のアドバイスさせていただきます!

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