【年金】老齢基礎年金は満額でいくらもらえるか?
2022/06/08
目次
【40年間の保険料納付で満額の年金がもらえる】
老齢基礎年金は、保険料を納めた期間が20歳から60歳までの全期間(40年)ある場合で、1年で777,800円(2022年度価額)が支給されます。この金額がいわゆる満額です。老齢基礎年金の額は、物価や賃金の上昇等の要因によってスライドされ毎年変動します。そのため、必ずしも今年に支給される年金額と来年に支給される年金額が同じになるわけではありません。
【加入期間1年当たりおよそ2万円の年金になる】
老齢基礎年金の計算式は以下の図に示しました。保険料納付済月数が480月に満たない場合や保険料免除を受けたことがある場合は、それぞれ空欄に該当する数字を入れて計算することで、支給額を算出できます。
細かい計算は以下の図の通りですが、大まかな金額を求めるのは簡単です。満額の年金額を40年で割れば、加入期間1年当たりの年金が出せます。
777,800円(2022年度価額)÷40年間=19,445円
要するに、国民年金の加入期間が1年間あれば、2万円弱の年金額に結び付くことがわかります。例えば、現在までに30年間の加入期間がある人は、2万円弱×30年間で、約60万円弱の年金額を確保できているわけです。
【付加年金は2年で元が取れる美味しい制度】
満額の老齢基礎年金であっても、月額にすると、777,800円÷12月で約65,000円にすぎません。少しでも増やせないものか、そうお考えの自営業者などの人に、年金を少し増やす方法を紹介します。それは、国民年金の第1号被保険者だけが加入できる付加年金という制度です。
毎月の国民年金の保険料に400円の付加保険料をプラスして納めることで、将来受取る老齢基礎年金に、「200円×納めた月数」を掛けた額が加算されます。
例えば、40年加入した場合は200円×480月=96,000円(年間)の付加年金となり、2年もらえば元が取れる計算です。国民年金基金と同時に加入はできませんが、国民年金基金に入っていなければ、付加年金を検討してみてはいかがでしょうか。
【令和4年度(2022年度)の年金額改定に関する基本情報】
1.「物価変動率」▲0.2%
2.「名目手取り賃金変動率」▲0.4%
3.「マクロ経済スライドによるスライド調整率」▲0.3%
年金額の改定については、名目手取り賃金変動率がマイナスで、名目手取り賃金変動率が物価変動率を下回る場合には、年金を受給し始める際の年金額(新規裁定年金)、受給中の年金額(既裁定年金)共に名目手取り賃金変動率を用いることになっています。
したがって、令和4年度の年金額の改定は、名目手取り賃金変動率がマイナス(▲0.4%)で、名目手取り賃金変動率が物価変動率(▲0.2%)を下回るため、新規裁定年金・既裁定年金共に名目手取り賃金変動率(▲0.4%)が用いられています。
3のマクロ経済スライドとは、賃金や物価の上昇ほどは年金額を上昇させないように、改定率を調整し年金の給付水準を調整する仕組みです。
これにより、将来世代の年金の給付水準を確保することに繋がります。
公的年金保険者数の変動と平均余命の伸びに基づいて、スライド調整が設定され、その分を賃金と物価の変動がプラスとなる場合に改定率から控除されるというものです。
マクロ経済スライドによる「スライド調整率」▲0.3%
=▲0.1%(令和3年度のマクロ経済スライドによるスライド調整率の繰り越し分)+▲0.2%(令和4年度のマクロ経済スライドによるスライド調整率)×(公的年金被保険者数の変動率(平成30年~令和2年度の平均)0.1%+平均余命の伸び率(低率)▲0.3%)
ただし、賃金や物価による改定率がマイナスの場合には、マクロ経済スライドによる調整は行われず、マクロ経済スライドの未調整分(▲0.3%)は、翌年以降に繰り越されることとなります。
●結果として、令和4年度(2022年度)の年金額は令和3年度(2021年度)に比べて0.4%引き下げの777,800円(月額64,816円)となります。
参考資料
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