【終活】身の回りの「お金」の整理整頓を考える②
2023/10/05
目次
【考えても良い投資は「つみたてNISA」】
「つみたてNISA」は2018年からスタートした、投資信託を対象にした非課税制度。通常、投資で出た利益に約20%の税金がかかるところ、つみたてNISAには税金がかかりません。しかも、日本で販売されている投資信託約6千本のうち、金融庁の基準を満たした積立に向く254本(2023年10月4日)に絞られるので選びやすいといった特長があります。
積立額の上限は1年間で40万円まで。非課税となる期間は最長20年。口座開設できるのは1人1口座で、18歳以上であれば何歳でも始められる上、いつでも売却、引き出しができます。制度改正で、24年からは非課税となる期間は無制限、年間投資枠はつみたて投資枠で120万円、成長投資枠で240万円まで、合計360万円になります。非課税となる生涯投資枠は1800万円(成長投資枠は1200万円まで)と制度が拡大されます。
投資は、値動きしますので老後資金から多額の投資金を捻出するのは禁物です。収入から支出を差し引いて貯蓄にまわすうちの余剰資金で運用するようにしましょう。
【慎重にしたほうがいい投資は「個別株式投資」「不動産投資」】
個別株投資は、株価に一喜一憂するのでシニア世代には不向きです。お楽しみで少しずつ買う、NISAの成長投資枠で買ってみるなどにとどめておきたいところです。
また、アパートや駐車場経営など不動産投資も慎重にしましょう。自宅の空いている敷地に駐車場や自宅兼アパートを建てれば、「不労収入を得られるので老後の資産を増やせる」と考えている人もいるでしょうが、そうは簡単にいきません。
建設費用が高くなってきているので、月々のローン返済額が高くなり、空室が出ると維持費をまかないきれなくなり赤字になる可能性があります。入居者と直接やりとりをするのは大変なので管理会社に頼むと委託料がかなりの金額になります。自宅以外の不動産は無理な運用をしないで、不要であれば売却して現金化したほうが、面倒が減って心理的な負担がなくなります。
【使用頻度の少ないクレジットカードは解約する】
年会費が無料だから、行きつけのお店で勧められたから、といった理由でクレジットカードを何枚も持っている人も多いです。特定のカードを使うと10%オフ、ポイントを集約してマイルにできるなど、特典があるものを厳選しましょう。「スーパーのレジで会計するときに、財布からお金を取り出すのにモタモタしてしまい後に並ぶ人たちの冷たい目線を感じる・・・・・・」という人こそ、クレジットカードでの一括払いが便利です。クレジットカード会社のホームページから毎月の利用明細を確認できるので、そこで支出を管理すれば家計簿をつける手間はなくなります。年会費がかからないクレジットカード1~2枚程度を残し、利用頻度の少ないカードは解約しておきましょう。
また、意外と多い無駄な支出は、活動実績が不明瞭な慈善団体などの年会費、趣味や習い事の月謝、使用頻度の少ないジムの会費です。税金の寄付控除が受けられる団体への寄付は余力がある範囲で行い、生活費に余裕がない場合は取捨選択して必要ないもの、付き合いをそろそろやめたいと思っているグループやサークルは退会すると、人間関係もスッキリして、お金も節約できるようになります。
【冠婚葬祭、イベントなど「特別支出」を見積もっておく】
老後資金を目減りさせる想定外の出費が「特別支出」です。一年中、毎月イベントがあります。その度に貯蓄から取り崩していたら老後資金が目減りし、医療や介護が必要になったときにお金が足りない、などということも起こり得ます。
まず一年での「特別支出」を見てみますと、1月はお正月で孫たちへのお年玉、実家がある人は帰省の費用がかかります。5月はゴールデンウイークの旅行。その後も、7月はお中元、夏休み、11月はお歳、12月はクリスマス。その間、家族の誕生日、親戚の結婚式やお葬式などの冠婚葬祭も突然やってきます。
このほかにも数年に一度、家電や車の買い替えがあり、これが大きな支出になります。
家電の買い替えはある程度、時期を想定して、予算として見積もっておく必要があります。また、車を買い替えるときは、普通車から軽自動車にするといったことだけでなく、年齢的に車の運転が危ないと思ったら思い切って車を手放すことも選択肢のひとつです。そうすれば、自動車税や保険、車検、駐車場やガソリンなどの支出がすべてなくなるので、コストカットの効果は絶大です。
このほか、家族の誕生日や記念日の食事会、バレンタインデーの贈り物などは、少しずつやめるようにしていき、老後の生活そのものをシンプルにしていくことが大切です。