【終活】相続で家族が困らないように財産の名義変更を忘れずに行うのも終活

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相続・終活マガジン

【終活】相続で家族が困らないように財産の名義変更を忘れずに行うのも終活

2021/04/01

目次

    終活の中で、相続や死後の手続きの準備に注目が高まっています。その中でも重要なのは、引き継いだ財産の名義や、交わした契約の名義についてです。

     

    終活を行い、このような財産の名義や交わした契約の名義を実態に合わせておかないと、残された家族の負担や手間が大きくなってしまいます。例えば、生命保険や不動産、預貯金などが挙げられます。

    【終活で気を付けよう:受取人が先に亡くなった場合の生命保険の名義】

    終活を行う中でも、生命保険の契約形態のことは見落としがちです。終活のセミナーなどで、自分の生命保険はどんなものに加入しているのか点検しておきましょうと言われ、見直した人はあるかもしれません。しかし、契約者や被保険者、受取人の契約形態を確認しておきましょうとまでは教えられないことが多いかもしれません。

     

    生命保険ではまず、いざというとき保険金を誰がもらうのか?受取人の名義を確認しておいた方が良いでしょう。「自分が先に死んだ時に残された妻が生活に困らないように」と妻を受取人として保険に入るということは多いと思います。

     

     

    しかし、中には妻が先に亡くなっているのに、受取人名義を変えていないというケースなども見られます。こういったケースは終活をやっているという人でも見落としがちなところです。

     

    もしも、亡くなった妻が受取人のままだと、この保険金は結局、妻の相続人に渡ることになります。相続人が複数いると均等配分になります。受取人が先に亡くなっている場合、誰がその保険金の受取人になるかというと、「受取人に指定された人の法定相続人」が受取人となります。

     

    そうすると、受取金額の割合も法定相続分に従って決まると思われがちですが、実は違います。

     

    そもそも、この生命保険金は契約者の方が払い込んだ生命保険料の対価として支払われるものなので、相続財産には含まれず、手続きも厳密にいうと相続手続きではありません。

     

    では、なぜ法定相続人が保険金を受け取ることになるかというと、保険法46条が根拠となります。このケースは「相続人の全員が保険金受取人となる」と定められています。

     

    しかし、この条文は誰が受取人となるかを定めただけでどういう割合で受け取るのかを定めてはいません。そこで、それは一般原則である民法427条によって「受取人となる相続人全員が等しい割合(均等)で権利を持つ」に従うことになるのです。

     

    つまり、法定相続人が3人いる場合は、法定相続分によるのではなく1/3づつの均等ということになります。そうなると、生命保険の保険金が思う通りの人に渡らないということも考えられます。

     

    終活など考えたことも無い若いころに加入した保険は、その存在や名義がどうなっていたかを忘れがちです。元気なうちに終活を行い、保険証券などで受取人の名義を確認しておくことが大切です。妻が亡くなっていれば子などに名義を変えることも終活の一つです。

    【終活で気を付けよう:生命保険の契約形態で変わる税の種類】

    前述のように妻が亡くなったということでなくとも、終活においては、生命保険の受取人の名義は確認しておいた方が良いでしょう。

     

    実は生命保険は契約者、被保険者、受取人の名義をそれぞれ誰にするかにより受取人が払う税金の種類が決まります。

    上記の表で考えてみましょう。一番上の契約者・夫、被保険者・夫、受取人・妻というパターンは相続税になります。相続税の場合、死亡保険金は相続1人につき500万円の非課税枠があります。

     

    そこで、受取人を妻から子に変えておけば、相続時には非課税枠を使うことができ、受け取った保険金を相続税の支払いに充てることができます。保険金以外の財産に相続税がかかるとしても、配偶者の場合は税額軽減の特例があり、相続財産1億6,000万円まで妻は相続税を払わないで済みます。

     

    高齢になり、経済力がなくなってきたら、契約者を子に変えて保険料を肩代わりしてもらうのも方法です。例えば、契約者・夫、被保険者・妻、受取人・子という契約の場合、契約者を子に変えると、保険金にかかる税金の一部が贈与税から所得税に変わり、節税ができることもあります。

     

    上記の契約の場合、母が死んで保険金が下りたときに子が払うのは、契約者が父の期間は贈与税、契約者が子に変わると所得税になります。一般的に所得税は贈与税より税負担が少なくて済むので、全期間贈与税を払うより税金は減ることが多くなります。

    終活では、必ず保険の契約関係は整理しておきましょう。終活では最も見逃されることの一つなので、覚えておいてください。

    【終活でやっておこう:子のための手続き】

    不動産では相続の手続きをして初めて家の名義が誰かを知り、驚く人も実際にいます。例えば、実家の名義が亡父でなく、古くに亡くなった祖父だったということはよく聞く話です。

     

    そして、終活をしていく中で、この不動産を売却しようと思っても、相続の登記をしていないので、名義が変わっておらず、売却できない。まずは、名義変更をする必要があると言われることになります。

     

    地方では、先代どころか、先々代の名義のままというケースも珍しくありません。仮に祖父の名義のままになっていたとします。そして、父は二人兄弟の弟で父の兄はすでに亡くなっていて、子が二人でした。自分にも弟がいる。そうなると、祖父の不動産の相続の権利を持つものは、父の兄の子2人、そして、父の子である自分と兄の計4名となります。

     

    すると、4人全員の同意が無ければ、この不動産の遺産分割を終えることができず、売却したりすることはできません。今後、相続登記を義務化し、罰則が設けられることになっています。国は今後手続きを簡略化する方針ですが、時間はかかりそうです。

     

    終活においては、不動産の名義を確認し、必要な名義変更を行っておくことはとても大切です。

     

    また、終活においては、名義を変えておくだけでなく、土地の測量も場合によってはしておいた方が良いでしょう。売却などの際は測量と境界の確定を求められるからです。

     

    終活を行ってみて、古い家では実際の面積が登記より大きい「縄伸び地」であることが分かる場合があります。作業は土地家屋調査士に依頼しますが、場合によっては100万円以上かかる場合もあり、相続後に子に負担をかけるより親がやっておいた方が良いかもしれません。また、境界の確定には隣家の実印をもらう必要があるので、離れて住む子よりそこに住む親が頼む方がスムーズにいくことが多いこともあり、終活の一貫として親がやっておいた方がスムーズです。

     

    不動産の名義の変更には被相続人の戸籍謄本や住民票、相続人全員の戸籍謄本や住民票、印鑑証明書などを提出することになります。

     

    終活では預貯金の名義変更もしておいた方が良いことの一つです。手続きは不動産と同じようなものになります。中には夫が亡くなった後も、妻が夫の名義の口座をそのままにしておくケースがあります。子がいれば、そのまま受け継ぐことになりますが、子がない場合、妻の親族が相続となる場合、口座を解約したり、名義を変えたりするには亡夫の親族の書類が必要となります。そのため、残高が少ない口座などは手続きに見合わないと放置する人も多くありますが、やはり、きちんとしておいた方が良いでしょう。そうなると、終活では、預金口座についても、元気なうちに整理して、不要なものは解約しておくことが子のためにやっておいてあげたい終活と言えるでしょう。

    この記事は終活を考えている人、終活をやっている人のために、参考になればと書かれています。終活について、ご質問、ご相談があれば、お気軽に「終活について教えて欲しい」とご連絡ください。「終活」のアドバイザーがお答えします。あなたの大切な「終活」を充実した「終活」にしていただくために、終活のアドバイスさせていただきます!

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