【終活】世界と日本の違い。コロナの感染拡大で死亡者数が増えた欧米、減った日本。終活にも変化。

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相続・終活マガジン

【終活】世界と日本の違い。コロナの感染拡大で死亡者数が増えた欧米、減った日本。終活にも変化。

2021/04/05

目次

    新型コロナウイルスの感染拡大に伴って初の緊急事態宣言からまもなく1年が経過します。欧米各国では死亡者数が平年を上回る「超過死亡」が生じましたが、日本では死者数が11年ぶりに減少しました。

     

    終活をする上で、日本は世界とはちょっと違うことを知っておくのも良いでしょう。終活は「噂」「~だろう」ではなく、事実に基づいて行う必要があるからです。終活を充実の終活にするためにも「事実」を見ておきましょう。

    【終活のヒントとして:日本の死因の変化】

    厚生労働省の発表によると、2020年の国内の死亡者数は138万4544人で、前年より9373人(0.7%)減りました。内訳は肺炎(新型コロナなどを除く)が13,950人、インフルエンザが2,340人減っていました。

     

    新型コロナの感染対策としてマスク着用や手洗い、手指消毒などが広がり、他の最近やウイルスが流行しなかった影響とみられています。

     

    一方、各自治体に報告された新型コロナ感染者の死亡数は1年間で約3500人です。コロナ対策による死亡者数の減少幅の方が大きかったということになります。

     

    この他心筋梗塞や脳梗塞など循環器系の疾患も8千人弱減りました。救急患者のたらいまわしは一部で生じたようですが、救命できずに死亡者数が急増する事態には陥っていませんでした。

     

    10月分までの死亡者数で前年同期より最も増えていたのは老衰で、7,964人増加していました。この傾向はこれまでの終活の考え方に少なからず変化が出るかもしれません。

     

    高齢化(終活世代)により、確定値の死者は2015年以来、毎年1万7000~3万2000人のペースで増え続け来ました。減少したのは11年ぶりのことです。

     

    2021年4月1日時点のコロナウイルス感染症による死亡者は9,162人です。WHO(参照:https://covid19.who.int/table)によると、同じ時点での米国の死者数は545,887人、フランス95,062人、英国126,713人、イタリア109,346人、ドイツ76,543人。欧米各国に比べると日本の少なさが分かります。

     

    この状況ではありましたが、緊急事態宣言が出され、外出抑制が起こりました。この外出抑制によって死亡原因に変化がありました。老衰が前年より増えたということです。

     

    死亡原因の第一位のがんは前年より1,714人しか増えていませんが、老衰死はがん死の4.6倍も増えています。10月までの全死亡者112万386人の9.5%に達し、2019年の8.8%から急増しました。

     

    そして、老衰の場所にも変化が出ています。コロナ禍で自宅での老衰が増えてきているようです。「病院は感染の危険が高く、怖いから行かない」「入院すると面会ができなくなる」「早く退院させたい」との考えから、病院を敬遠する傾向があるようです。

     

    自宅で最期を迎える人が増えると、終活での準備項目の一つに自宅での死の準備が入ってくるかもしれません。終活で自宅での死を考えた人とそうでない人は、終活の質の差が出るかもしれせん。

    【終活のヒントとして:日本は超過死亡は無かった】

    超過死亡とは、感染症による死亡だけでなく、他疾患を含めたすべての死亡数が平年に比べて増減したかを示す指標です。インフルエンザの流行が社会に与えた影響を把握するため開発された指標で、WHO(世界保健機関)が評価指標として推奨しています。

     

    感染症は直接死因になるだけでなく、慢性疾患の患者の状態を悪化させ間接的な死因にもなります。厳しい感染対策で適切な医療を受けられなくなったり、自殺など感染症以外の死亡が増えたりした影響も評価できる指標です。検査体制が不十分な国での影響もわかり、国際比較指標になっています。

     

    超過死亡はどのように算出されるかを見てみます。2020年が例年通りだった場合に予想された週ごとの死者数のことを「予想される死者数」と呼びます。これは、例年の死者数から計算されます。そして、例年から予想される死者数を超える死者の数を超過死者数と呼びます。

     

    イスラエルのヘブライ大学などの研究チームは各国・地域の超過死亡を推計しています。2021年の2月末時点での最多は米国で約50万人。同時点で確認された死亡数とほぼ同じで、感染対策が不十分で感染者が2,500万人を超え、死亡率は日本とほぼ同じでも死亡数が増えた形です。

     

    ロシアの超過死亡は推計約35万人で、同じ時点で確認された新型コロナの死亡数約8万人の4倍超。十分検査されていない可能性があります。台湾は5,600人減少するなど感染者が少なかった東アジアの死亡数は平年を下回りました。

     

    死亡率は年代差が大きくなります。日本では70代以上が感染者の1割強ですが、死亡者は9割を占めます。死亡率は10代以下はゼロ、50代以下は1%未満に対し、60代は1.6%、70代は5.4%、80代は12.5%、90代以上が18.3%と跳ね上がります。やはり、終活の一貫として事実を知っておく必要はありそうです。

     

    現状、十分な効果を確認された治療薬はなく、ワクチン効果もまだ不明です。死亡数を少なくするため高齢者の感染防止策がカギを握ります。感染対策も終活の一つと考えた方が良いでしょう。

     

    厚労省によると、国内で発生したクラスター(感染者集団)の発生件数で最も多いのは高齢者施設で全体の2割。昨年8月時点では医療機関が2割で最多でしたが逆転しました。これも終活に変化をもたらします。

     

    海外の論文では「新型コロナ患者の半数は無症状の人から感染している」と推定。英国の研究では高齢者施設などの職員への定期検査で感染リスクを3分の1に減らせるというデータが2020年4月下旬に出ています。

     

    このような事実から終活のヒントを導き出してみると、次のようなことが考えられます。

     

    1)コロナ感染症予防は死者数減少に役立った

    この事実から見ると、終活の一つとして、「マスク着用や手洗い、手指消毒」を常に行うということが挙げられそうです。終活というと、お金のことや財産のことや介護、医療などということに目が行きがちですが、マスク着用、手洗い、手指消毒の徹底も終活ですね。

     

    2)自宅で亡くなる老衰も視野に入れた終活を

    人生の最期を迎える場所は、大半が病院や施設でした。しかし、コロナ以降、病院や施設でのクラスターへの恐怖から、自宅で過ごすことを選択する方も増えそうです。そうなると、自宅での老衰が死因となる可能性も高くなります。とはいえ、準備ができていなければ、家族に迷惑をかけることになりかねません。自分の人生の最期の場所を自宅と希望するなら、その準備の終活は欠かせません。

    この記事は終活を考えている人、終活をやっている人のために、参考になればと書かれています。終活について、ご質問、ご相談があれば、お気軽に「終活について教えて欲しい」とご連絡ください。「終活」のアドバイザーがお答えします。あなたの大切な「終活」を充実した「終活」にしていただくために、終活のアドバイスさせていただきます!

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