【終活】【相続】相続放棄が増加中。相続放棄の手続きは3か月以内に

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相続・終活マガジン

【終活】【相続】相続放棄が増加中。相続放棄の手続きは3か月以内に

2021/04/07

目次

    【相続放棄が増加中】

    終活をはじめ、相続の準備をする際に、親の財産の状況の確認です。もちろん、自分自身が子供たちに迷惑をかけないようにという意味で、自分の終活でも大切なことです。ここでは、親のことに対する準備としての終活で考えてみたいと思います。

     

    亡くなった親に多額の借金があった、又は空き家になった実家の維持費や固定資産税がかかることが分かったなどの場合に選択肢になるのが相続放棄です。

     

    終活の段階でも相続放棄の可能性があるならば、考えておくことが大切です。自分は相続しないと勝手に決めることはできません。相続放棄は家庭裁判所に申し立てて受理されることで、実現します。預貯金などの資産も引き継げなくなる代わりに負債を相続しなくて済むことになります。

     

    実は相続放棄を選ぶ人は年々増加しています。だからこそ、終活の際に可能性があるのであれば、考えておいた方が良いでしょう。司法統計によると、相続放棄の受理件数は2019年に22万5415件と5年前に比べて2割強増えました。引き継ぐ負債が資産を上回る場合に放棄を選び、多くが借金の負担を避けるのが目的と見られますが、最近は不動産を理由に放棄する例が増えているようです。

    出典:裁判所ホームページ:司法統計年報家事事件編より筆者作成

    【空き家となっても維持費は必要】

    不動産が主な理由になりやすいのは子どもが親と離れて住み、自分の家をすでに持っている場合です。親が亡くなった後、誰も親の家に住まなくなり、空き家となっても水道光熱費や火災保険料といった維持管理費は必要で、固定資産税などの税負担も発生してきます。

     

    それでも、いずれ売却することができるのであれば、相続する価値もありますが、立地条件が悪かったり、老朽化したりして売却や賃貸が難しければ負担だけが続くことになりかねません。

     

    15年施行の空き家対策特別措置法で自治体は崩壊の危険があると判断した空き家を取り壊す行政代執行が可能になりました。解体費用は所有者に請求されるのが一般的です。

     

    国土交通省の「空き家等対策の推進に関する特別措置法の施行状況等について(https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001373891.pdf)」を見てみると、平成27年度に施行されて令和元年度までの5年間で69件の代行執行が行われています。平成27年度は1件だったのに対して、令和元年度は28件となっており、年々増加しています。

    【相続放棄とは】

    相続放棄とは、相続人それぞれが権利を放棄し、亡くなった人の最後の住所地の家裁に申し立てをします。家裁に受理された後は残った相続人、又は家裁に選任された相続財産管理人が資産の処分や負債の清算などをするのが一般的ですが、注意しておくこともあります。

     

    まず一番大切なのは、相続放棄が可能な期間です。相続放棄の手続きは相続の開始(相続人が被相続人の死亡を知った日)から3ヶ月以内となります。この3ヶ月の期間のことを熟慮期間といいます。ポイントは手続きをしないままに、この熟慮期間を過ぎてしまうと、相続放棄ができなくなってしまうことです。

     

    熟慮期間を過ぎると、資産と負債をすべて受け取ることになる「単純承認」をしたとみなされます。相続放棄をするかどうかを決めるには被相続人の資産と負債を調べることが大切なのですが、3ヶ月以内に調査をして判断が難しい場合もあります。だからこそ、親が元気なうちに親の資産状況を含めた終活をしておくことが望ましいのです。

     

    しかし、事前に判断をしておくばかりとは限らず、また期間も短いので判断できない場合は、3ヶ月の熟慮期間内に期間の延長を申し立てることもできます。ただし、認めてもらうには「説得力のある理由」、そして「3ヶ月にわたって相応の努力をしていること」が必要となり、延長が認められるかどうかはわからないことは知っておくべきでしょう。

     

    他にも重要な点があります。それは、熟慮期間中は相続財産を動かしたりしないことです。例えば、親が亡くなって、家を整理したいのでと遺品整理で処分したり、売ったりすると、相続放棄ができなくなる場合があります。熟慮期間を過ぎたと同じように、単純承認をしたとみなされる可能性があるからです。民法上、相続財産の「処分」や「隠匿」に相当すると判断される場合があります。

     

    要注意なのが遺品の一部を受け取りたいという時です。金銭的価値が低いとみられるものでも、すぐには受け取らず、「相続財産管理人または破産管財人による資産・負債の清算、債権者への配当といった手続きが終わった後」の方が無難です。

     

    相続放棄をすると、相続権がほかの相続人に移ることも知っておく必要があります。相続では相続順位が法律で決まっており、順位の高い相続人が放棄すると次の順位に権利が移っていきます。

    まず、子どもが相続の第1順位になり、続いて両親、兄弟姉妹という順番です。故人に多額の借金があり、第1順位の子ども全員が相続放棄をすると、両親が相続人になります。

     

    両親が放棄すれば、故人の兄弟姉妹に相続権が移ります。ここでポイントとなるのが、借金の返済義務も移るということです。事前に連絡をしておいた方が良いでしょう。

     

    配偶者は常に相続人になりますが、放棄をすることもできます。

     

    相続放棄を選ぶと、資産も含めて引き継ぐことができなくなります。負債の規模がはっきりしない場合は「限定承認」という方法で相続をする選択肢もあります。資産は全額相続し、負債は資産の範囲内で引き継ぐという方法です。相続人は負債を返済するのに、自分のお金を使わずに済むというメリットがあります。

    ただし、限定承認の受理件数は2019年度の「裁判所司法統計年表家事編」によると657件と、相続放棄に比べるとわずかです。相続放棄は相続人それぞれが家裁に申し立てることができますが、限定承認は相続人全員で行う必要があります。遺産の目録も作成しなければならないなど手続きが煩雑であることが、利用されることが少ない原因と思われます。

     

    相続が発生する前の終活の段階から、親の財産を相続するか否かについては考えておいた方が良いでしょう。

     


    この記事は終活を考えている人、終活をやっている人、又は相続の対策を考えている人のために、参考になればと書かれています。終活について、相続について、ご質問、ご相談があれば、お気軽に「終活、相続について教えて欲しい」とご連絡ください。「終活」「相続」のアドバイザーがお答えします。あなたの大切な「終活」「相続」を充実した「終活」「相続」にしていただくために、終活のアドバイスさせていただきます!

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