【終活】死後離婚と相続
2021/06/23
目次
【死後離婚とは、民法が定める「姻族関係終了の意思表示」のこと】
配偶者と死別した後、その両親などとの姻族関係(結婚によって生じる親族関係のこと)を終わらせる制度です。
テレビなどで取り上げられるようになり、この制度を利用する人が年々増えています。とくに女性(妻)側からの届出が多いようです。
結婚すると配偶者の両親などとの間で姻族関係が生じます。これに対し、配偶者と死別すると婚姻関係は終了しますが、姻族関係はそのまま残ります。たとえば、夫が死亡しても、残された妻と夫の両親との姻族関係は継続します。
この場合、死亡した配偶者の親族との姻族関係を終了させる制度が死後離婚(姻族関係終了の意思表示)であり、その手続きは「姻族関係終了届」を本籍地又は住所地の市区町村に提出するだけです。提出期限もありません。
姻族関係終了届の提出により、姻族関係は終了しますが、死別した配偶者の相続財産を相続することはできますし、遺族年金についても要件を満たしていれば受給することができます。
戸籍については、死別した配偶者と一緒の戸籍のままです。氏もそのままとなり、旧姓に戻す場合には「復氏届」を提出する必要があります。
なお、2018年の相続法改正により、相続人でない戸籍上の親族が、無償で介護や労務の提供により被相続人に貢献した場合、相続人に「特別寄与料」を請求できるようになりました。たとえば、夫と死別した妻が、夫の両親の介護などで貢献した場合、夫の両親の相続権を持たない妻が、相続人に対し金銭の支払いを請求できるという制度です。
しかし、夫の両親の死亡前に姻族関係終了届を提出すると、夫の両親の親族でないことを理由に、妻は特別寄与料を請求できなくなる可能性があるのが留意点です。
この記事は相続を考えている人、又は相続の対策を考えている人のために、参考になればと書かれています。相続について、ご質問、ご相談があれば、お気軽に「相続について教えて欲しい」とご連絡ください。「相続」のアドバイザーがお答えします。あなたの大切な「相続」をより良き「相続」にしていただくために、相続のアドバイスさせていただきます!