【事業承継】会社を見える化する
2022/06/08
目次
【見える化のゴール=ビジネスモデルとしての分解】
ビジネスモデルとして確立するということは、固定費と変動費を分解し、いくらの費用を投下したらいくらの収入が上がるかを数的感覚として把握できることを言います。
事業継承ができるためには、①経営環境が変化しても世の中から御愛顧されている「事業」であるということと、②業務能力とリーダーとしての人間性という「後継者の素質」という2つの要素が必要です。
【会社のステージにより異なる打ち手】
状況に応じてどういう施策を行うのか?は会社の状況によります。そのためには、後継者として会社が「現状どういうステージにあるのか?」ということと、「これからどういうステージにもっていったらいいのか?」ということを理解しておくことが必要になります。
大きく分けると、市場環境と自社環境を整理することが必要になります。1つの法人で複数の事業を行っている場合には、それぞれの事業ごとに整理をします。
【市場ステージ別の戦略】
市場環境は、時間を横軸、売上高を縦軸としたライフサイクルでは、一般的に「導入期」「成長期」「成熟期」「衰退期」の4段階を経ながら、S字型のカーブが描かれます。
(1)「導入期」:市場発達の初期段階
導入期は、商品・サービスが一般的に知られていないため、マーケティング戦略では、製品の使用方法や現在使用中の製品に対する優位性を喚起することを主な目的とします。
(2)「成長期」:新製品が市場に浸透してくる段階
成長期においては、買い手が商品やサービスの内容を知っています。この段階では、競合他社との違いを明確にすることを説明します。
(3)「成熟期」:製品が市場に普及し、市場の成長が鈍る段階
成熟期では市場規模がほぼ一定であるため、企業は、自社のシェアの拡大を目指します。この段階になると、少数の企業が大部分の市場シェアを獲得しています。このようなリーダー企業にとっては、シェアの維持、もしくは拡大が目標となります。
一方、小規模な下位企業にとっては、生き残ることが第一目標となります。戦略としては、ニッチなターゲットに絞り、集中する戦略が多くみられます。
(4)「衰退期」:市場発達の末期段階
衰退期の段階に入ると、売上は減少傾向にあり、利益も減少します。過去のステージで顧客リストなどの無形資産を保有している会社は減少しながらも利益は出て生き延びますが、それ以外の企業は、撤退します。
事業承継が行われる場合多くは、(3)成熟期か(4)衰退期であることが多いと思います。この段階で事業承継を受けた場合には、既存事業から得られる利益には期限があるため、既存事業の引き継いだ無形資産を毀損しないように利益を出しつつ、新規の事業に徐々にシフトすることが求められます。