【相続】借地権のもめ事には地主が絡んでくる
2023/05/31
目次
【土地と建物の名義が違うのが借地権】
実家を相続した場合、多くは土地と建物の所有者は同じで名義も同じです。しかし、なかには、土地を借りて借地権によって実家の建物が建っている場合もあります。通常の所有権と借地権の違いは次の図のようになります。
通常の所有権の建物は、土地も建物も所有者は同じです。そのため、土地も建物も制約なく自由に活用したり売却したりできます。一方、借地権とは、建物の所有を目的とする土地の賃借権のことです。
そのため、建物は建てた人の所有になりますが、土地は借りる権利だけを有していて土地そのものは地主が所有しています。つまり、借地権によって建物が建っている場合は、建物の名義と土地の名義が違ってきます。
借地権が設定されている土地のことを「底地(そこち)」と呼んでいます。通常の土地と違うのは、底地を持つ地主には土地を利用する権利がないことです。というのも、土地を使用する権利は借地人が持っているからです。
しかし、借地人から地代をもらって収益を得る権利や底地を自由に売却する権利などを地主は持っています。その意味では、地主は所有権の一部である底地権を持っているということになります。
一方で借地人は、借地権によって土地を使用する権利を持っていますが、土地を売却したりする権利は持っていません。建物は借地人の所有物ですが、借地権付きの土地に建っていることから、売却などは底地権を持つ地主の承諾などの制約を受けます。
【借地権の相続では地主との関係が発生する】
借地権付き住宅は全体の3%程度であまり多くはありませんが、相続した実家が借地権で建てた住宅であるときは、通常の所有権の住宅とは違う問題が生じます。主なものは地主との関係です。借地権付き住宅を相続しても相続自体は地主と関係ありません。
しかし、亡くなった親からの契約の引き継ぎ、代替わりに伴う地主からの要求(地代の値上げ、土地の返還など)といった地主との関係が発生し、地主が絡んだトラブルになるのです。
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