【相続】借地権の実家相続は普通の実家不動産相続とどう違うのか

LINEで個別相談 お問い合わせはこちら

[営業時間] 9:00 〜 18:00 / [定休日] 土,日,祝

相続・終活マガジン

【相続】借地権の実家相続は普通の実家不動産相続とどう違うのか

2023/06/06

目次

    【身内以外の地主との関係が生じる】

    借りている土地に建っている実家を相続した場合、建物の所有権だけでなく借地権も相続することになります。つまり、借地権付き建物を相続することになるのです。一般の所有権の実家と違うのは、土地(底地)は地主が所有していることです。

     

    相続自体は相続人だけの問題で、借地権付き建物であっても地主に相続の承諾を得る必要はありません。地主も相続を拒否することはできません。しかし、相続後は地代の支払いであったり、更新手続きだったりと建物を利用するにあたっては、身内だけでなく地主との関係が生じます。このことが、完全な所有権のある一般的な実家の相続とは違う借地権独特の手続きや制約、トラブルを生みます。借地権のトラブルも、相続をきっかけに起こることが非常に多くなっています。

    【6カ月地代を滞納すると借地権を解除されてしまう】

    借地権は強い権利に守られているといっても、落とし穴があります。判例理論のうえで、「当事者の信頼関係を著しく害し、信義則に違反するとみなされる場合」という極めて抽象的な基準があるだけで、地代滞納の具体的な「何回」とか「何カ月」とかという基準があるわけではありません。しかし6カ月程度の賃料の滞納があれば、よほど特殊な事情がない限り解除は認められますし、2カ月分の不払いでも解除を認めた判例などもあります。

     

    相続の代替わりのときは、うっかり滞納が進行しないように注意しなければなりません。

    【借地権の売却には地主の承諾が必要】

    借地権の実家を利用するには、地主との関係で通常の実家相続にない「いくつかの制約があります。代表的な制約が借地権の売却です。

     

    借地権も通常の所有権の土地家屋と同様に、売却することが可能です。しかし、借地権を売却するときは地主の承諾が必要で、相続人が自由に行うことはできません。さらに、譲渡承諾料を請求されるのが一般的です。

     

    譲渡承諾料は名義書換料、名義変更料などとも呼ばれ売却を承諾する手数料です。法的に支払う義務はありませんが、実態としては慣行的に要求されるのが一般的です。賃貸契約のときの礼金のようなものです。金額は取り決め次第ですが、売却価格(借地権価格)の10%程度が目安です。

     

    また、通常の相続不動産であれば共有名義の自分の持分だけを第三者へ自由に売ることができますが、借地権の共有名義の場合、自分の持分だけであっても地主の承諾なしに第三者へ売ることはできません。

    しかし、第三者への売却は承諾しない地主がほとんどです。地代が今までどおり払われるかなど第三者が入ってくるリスクを懸念するからです。

     

    なお、共有名義の場合、第三者の入らない共有者間での買い取りや売却は、地主との関係において「継続的な信頼関係は破綻しないと言えるので、地主の承諾は不要です。地主も共有者間の場合には比較的スムーズに受け入れてくれます。

    【建て替えや大規模リフォームも地主の承諾が必要】

    借地権の場合、建物の所有者は借地人ですが、建物を地主の承諾なしに自由に変更することはできません。建て替えはもちろんですが、リフォームも大規模なものは地主の承諾が必要です。

     

    なお、建て替えや大規模リフォームの場合には建替え・増改築承諾料を請求されるのが一般的で、更地価格の3%程度が目安です。

     

    また、共有名義の借地権の場合は、第2章で説明したように、建て替えや大規模リフォームは変更行為にあたるので、地主の承諾だけでなく共有者全員の同意も必要です。

    【更新時には更新料が請求される】

    所有権の実家と異なり、借地権の場合は地代が発生しますが、契約の更新時(20年とか30年)には更新料を請求されることが一般的です。土地は地主の所有なので固定資産税は支払う必要はありませんが、地代や更新料といった負担があります。

     

    更新料は、借地権価格の5%程度が目安ですが、地域差や地主との関係によっても違ってきます。

    【土地の評価額が下がるので売却には不利だが相続税は有利】

    借地権も価値があり買い手もいるので、十分な価格で売ることができます。ただし、所有権のある土地に比べて2~3割程度は安くなってしまいます。一方で、相続税の評価でも通常の土地より2~3割くらい低くなりますので、相続税は安く抑えられます。

     

    相続税は国税庁の路線価を基準に算定されますが、路線価図には借地権の評価割合が表示されています。

    相続についてより詳しく学びたい方

    この「相続読本」は相続なんでも相談センターが長年に渡って培った相続のノウハウが詰まった1冊です。何から始めていいかわからない方、何を調べて、何を勉強すればいいのかわからないでも必ずこの1冊の中に知りたいことが詰まっています。

    是非一度、手に取ってみてください。こちらのページからダウンロードできます。

    当店でご利用いただける電子決済のご案内

    下記よりお選びいただけます。