【終活】親の終活でお金の話をうまく切り出すには?

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相続・終活マガジン

【終活】親の終活でお金の話をうまく切り出すには?

2023/08/17

目次

    【「親の困りごと」を段階的にクリアする】

    新型コロナが長引き、この間、帰省できずに親やきょうだいと、なかなか顔を合わせられなかった人も多かったと思います。

     

    年末年始やお盆などの大型連休で久しぶりに家族が集まるときに、終活や相続の話を一気に進めたくなってしまいますが、久しぶりに会う親たちに向かって「終活」「相続」というワードは禁句です。「自分たちが死ねばいいと思っているのか」と不快な気持ちにさせてしまうこともあります。はやる気持ちを抑えて「コロナが落ち着いたからやってみたいこと」「旅行に行きたいところはないか」といった話をしながら、親の話にゆっくりと耳を傾けてみましょう。

     

    今、どんな持病を抱えていて、どこのクリニックが、かかりつけ医なのか。まずは、親の体調面を気遣いながら、話を進めると親の状況を把握できるようになります。

     

    一度の帰省ですべてを聞き出そうとしないで、何回も実家に顔を出しながら、「親の困りごと」をひとつずつクリアしていきましょう。

     

    例えば、新型コロナ等に感染したときなど、病気で倒れたらきょうだいの誰が「キーパーソン」になるのか。

     

    今はきょうだい間で、SNSなどでつながっておくことができますので、普段からトークルームで「連絡網」を作っておくと、もしものときでも連携して対応できます。

    【親の入院時に必要なことを知る】

    親が入院したときのために、以下の準備をしておくといざという時に助かります。

     

    ・健康保険証、お薬手帳、かかりつけ医の診察券、マイナンバーカードなどをまとめておき、持ち出せるようにしておく。

    ・病院に入院したときのため「緊急連絡先」「保証人」(住民票が異なる親族が2人)を決めておく。

    ・主治医から治療方針、経過、退院の目安などの説明を受ける人を決めておく。

    ・入院が決まったらすぐに「入院保証金」を支払うケースがあるので、お金はどうするのか、入院費の支払いについて親から聞いておく。

    ・民間の医療保険に入っていないか(入院給付金や一時金の手続きはどうやって行うのか)事前にチェックする。

    急に入院するとき、「健康保険証」と「お薬手帳」を持参していないと、応急処置がスムーズにいかなくなることがあり得ます。実際に、心臓病や高血圧、糖尿病の持病がある高齢女性が、皮膚科の診察を受けようと、予約してから病院に行ったとき、「お薬手帳」を忘れたために、診察できなかったと聞いたことがあります。

     

    普段から親とコミュニケーションをとっていないと、もしものときに受診できない、あるいは子どもたちがお金を立て替えることになりかねないので注意しましょう。

     

    「入院」をきっかけに、今後の生活、将来的にどんな介護を受けたいのか、終末期はどうしたいのか、といった話を聞きながら、お金のことを切り出すと、うまくいくかもしれません。

     

    入院費などの支払いは親に代わって子どもが行うことを想定して、メインバンクのキャッシュカードの暗証番号を聞いておきたいですね。このほかにも、事前に確認しておかないと後で大変な事態に陥るお金の話は、次のようなことが考えられます。

    【メインバンク以外に口座開設していないか】

    金融機関が破綻した場合に、預金保険機構が元本1000万円までとその利息の払い戻しを保証する仕組みを「ペイオフ」と言います。元本が1000万円超あり、また万が一のときに資産が減ると思い、それに対応するため、いくつもの銀行口座を開設している人がいます。

     

    休眠預金等活用法に基づき、2009年1月1日以降の取引から10年以上、取引のない預金等(休眠預金等)は、民間公益活動に活用されます。1000万円以上の預金があると、金融機関から通知が来ますが、対応はその金融機関によって異なります。子どもが親に代わって口座の解約はもとより、出入金をするのは「委任状」「身分証明書」等が必要になりますので、親が元気なうちに、銀行口座は、メインバンク以外は解約しておいてもらいましょう。

     

    「やり方がわからない」というのであれば、解約に必要なものは何か金融機関に事前に聞いておき、親と同行することも考えましょう。

    【子どもにも言えない経済的な悩みはあるか】

    実家に帰省しても、親がどんな経済状況なのかはまったく知らないという人がほとんどではないでしょうか。

     

    母と同居していたある女性の話で、母親の入院中に、自宅に「督促状」が届き、開封したらキャッシングの返済期限が来ていたことがわかり、女性がかなりの金額を立て替えたという例もあります。

     

    女性は朝仕事に出かけてしまうと、普段母がどんな生活をしているのか把握できず、同居していても「キャッシングしていたことはわからなかった」と言っていました。年に数回しか会わない親子であれば、親の経済状態はさらにわからないことでしょう。

    【年金収入で生活できるか「さりげなく」聞く】

    昨今は、水道光熱費、食料品、生活必需品など、生活に不可欠なあらゆるモノの値段が上がり続けています。親の1カ月の生活費を知りたいと思ったら、いきなり「1カ月の生活費はいくら?」などと切り出さないで、身近な話題を振ってみることをお勧めします。

     

    例えば、「先月の電気代が急に上がっているけれど、うちは大丈夫?」と心配してみるのがポイントです。

     

    「全然平気」という親はほとんどいないはずです。大半は「もう大変」と言うでしょうから、そこで1カ月の生活費が年金収入の範囲内で収まっているのか、確認をしましょう。

     

    家計が赤字で、貯蓄から取り崩していたら、入院や介護などの「もしものとき」に、お金が足りなくなって、子どもが立て替える、ということにもなりかねません。また、月々の支出がオーバーした分を仕送りする必要も出てくるかもしれません。そうなったとき、ひとりで全部背負わないで、きょうだいと話し合って負担を分担するようにしましょう。今は便利なキャッシュレス決済があり、その機能を使って送金・入金が簡単にできます。どんどん活用しましょう。

    【スーパーやコンビニの総菜ですませていないか注意】

    また、普段の買い物はどうしているのか聞いてみる方法もあります。

     

    高齢になって自炊が億劫になってくると、出来合いのおかずに頼るようになります。便利でおいしいかもしれませんが、日常的に利用する場合は、食費が高くつくので家計的にはおすすめできません。また、味付けが濃いめなので高血圧症や糖尿病などの持病がある人は悪化させてしまう可能性もあります。

     

    高齢になって食事の支度や後片付け、家のなかの掃除やゴミ出しなど、身の回りのことが不自由になったらどう支援したらいいのか、同時に考えておく必要があります。身近な生活の話題をきっかけに、不自由なことを助けるための話をしていけば、今の親の生活が分かり、この先どうするかの話し合いもやりやすくなるでしょう。

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