【終活】介護を想定して住まいを考える
2023/10/30
目次
【「住み替え」は慎重に】
結婚してから購入した一軒家をそろそろリフォームしたいと考えている人も多いでしょうが、バリアフリーのリフォームは介護保険で安く施工できるものもあります。急がないで自宅にバリアフリーが本当に必要なのか、自治体などで相談してみましょう。介護保険で工事をする場合は、介護保険の申請、認定が必要です。施工業者も指定されているので確認しておきます。
もう一つ、慎重に考えたいのは「住み替え」です。
子どもたちが独立して、広い家に夫婦二人で過ごすのは防犯上良くありません。夫が先立ってから妻が一人で住むことを思うと、体力のあるうちに自宅を売却したお金で住み替えをするのは選択肢のひとつですが、
「選び方」が問題になってきます。
テレビや雑誌には定年後に、田舎暮らしを始める人たちが取り上げられて、活き活きした表情をみると「自分たちもやってみたい」と思うでしょうが、年齢を重ねてから環境を変えるのはストレスが伴います。
最初は自然豊かな景色を毎日見るのはいいと感じるかもしれませんが、慣れない農作業や地域住民との交流などに違和感を覚え、体調を崩す人も少なくありません。
車の運転ができないとスーパーへの買い物や病院への通院が困難なので、都会暮らしに慣れた人は、車を運転しなくても徒歩圏内でスーパーや病院に行けるというのは、住み替えのときに欠かせない条件になります。
夫婦で高齢者施設に入ると費用がかかります。「終の住処」にはいくつかの選択肢とチェックポイントがあります。
【「終の住処」5例とチェックポイント】
①自宅を「リフォーム」して住み続ける
玄関の段差を解消したり、手すりをつけたりするなどバリアフリーにする方法は、施工会社や工法、広さによって異なりますが、バリアフリーあるいは、水まわりにかかる費用は500万~700万円ぐらいのようです。
施工会社のセールストークに乗って不要なリフォームをしないように、介護が必要になってから介護保険で工事をするまで間に合わないものなのか検討しましょう。また、行うのであれば家族や子どもたちと相談することも大切です。ひとりで決断しないようにしたいですね。予算の上限を決めてから業者と交渉するといいでしょう。
□予算はどのぐらいか
口どの場所をリフォームするのか
□介護が必要になったときはどうするのか
□介護保険のサービスを使うことは検討できないか
②戸建て、ファミリー向けマンションから単身者向けマンションに転居
家を住み替えるときに、もっとも重要なのが老後資金は枯渇しないか、という点です。自宅を売った資金で購入する際、老後資金から購入費用を捻出するのは本末転倒です。再び住宅ローンを組むことがないように物件選びは慎重にしましょう。
また、介護が必要になったら要介護認定を受けて介護サービスを利用することになりますので、「介護」を想定して、在宅でも生活し続けることができるのかシミュレーションすることが大事となってきます。車を手放しても生活ができるように、駅に近かったり買い物や通院に便利な場所、子どもたちや親戚の家とも近い場所が選択肢に入ります。
□一生、そこに住み続けられるのか
口買い物や交通は便利か
□住み替え後の資産に余裕があるか
③サービス付き高齢者向け住宅「サ高住」に住む
サ高住とは、サービス付き高齢者向け住宅の略称で、コンシェルジュなどが駐在し、見守りや生活支援サービスが受けられる賃貸マンションのことです。家賃は割高で月20万円前後。敷金・礼金は運営会社によって異なります。
自力で生活ができることが入居の条件で、介護度が重くなったり、認知症の症状が出始めたりすると、別の施設や子どもの家などに転居する必要が出てくることもあります。介護が必要になったらケアマネジャーにケアプランを作成してもらい、サービスを利用する形式になります。
ロサービスは自分の望む通りの内容か
□経営母体、運営会社は安定しているか
□介護が必要になったときに移れる介護施設はあるか
④有料老人ホーム「住宅型」
食事、生活支援サービスを備えた施設。入居一時金は1000万円程度ですが、地域、施設によって不要なところもあります。月額15万~20万円程度の費用がかかります。
介護が必要になったら、ケアマネジャーにケアプランを作成してもらい、デイサービスに通ったり、ヘルパーを呼んだりするシステムです。自由に外出できますが、調理が不可、無許可の外泊禁止などの規則がある施設も存在します。
ロサービス内容、料金はどうなっているか
□終身の利用が可能かどうか
□介護が必要になったときの対応は?
□経営母体は安定しているか
⑤有料老人ホーム「介護型」
体が不自由になり、認知症が進んだとしても24時間の介護を受けられます。基本的に終身過ごすことができます。
入居一時金や保証金は地域や施設によって1000万円以上かかる場合もあります。月額20万~30万円程度の費用がかかります。
ロサービス内容、料金はどうなっているか
□終身の利用が可能かどうか
□経営母体は安定しているか