【相続】遺品整理に取り組めない理由①
2024/11/22
目次
【遠方に住んでいるため、なかなか行けない~親の家が遠いと先送りしがち】
世の中には、亡くなった方の遺品整理になかなか手をつけられない方がたくさんいます。着手できない理由は人によってさまざまですが、一番多いのは、やはり物理的な距離の問題でしょう。
たとえば、亡くなった親御さんの家が九州にあって、子どもは東京に住んでいるため、なかなか片づけに行くことができないというケースです。特に、親の家が家賃を払う必要のない状況であれば、急いで片づけなくて丈夫だろうという気になり、遺品整理を先送りにしてしまいがちです。
しかし、いつまでも実家を空き家にしておくわけにはいけません。実家を売るにしても貸すにしても、遺品整理をしてからでないと、どちらもできないからです。その結果、実家を相続した子どもは、固定資産税を払い続けることになるのです。
【特定空家に指定されてしまうと固定資産税が6倍になる!】
遠方にあるからと亡くなった方の家を空き家のままにしておくと、固定資産税が6倍に跳ね上がってしまう可能性があるということをご存じでしょうか。
2015年に施行された「空家等対策特別措置法」によって、特定空家に指定されてしまうと、50万円以下の過料が科されたり、固定資産税の軽減措置の対象から除外されてしまい、税額がそれまでの6倍になってしまうことがあるのです。
誰も住んでいない家は、傷むのが早いと言われますが、特定空家に指定されないためにも、早く遺品整理をすませて、売るなり貸すなりしたほうがいいと言えるでしょう。
<特定空家とは?>
①そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
建物の破損や不朽、門や看板など倒壊の危険性がある状態
②そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態
汚物の異臭、ゴミの放置による害獣などが繁殖し、衛生上有害となるおそれのある状態
③適切な管理が行われていないことにより、著しく景観を損なっている状態
建物に汚物や落書き、立木の繁殖、既存の景観に関するルールに著しく適合しない状態
④その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態
立木が近隣に散乱、動物の鳴き声や糞尿の臭気、不審者の侵入や、雪落の危険性など近隣住民の生活に悪影響を及ぼしている状態
【遠方の場合は期限を設けて一気にやること】
このようなケースの場合、期限を決めて、一気にやるしかありません。たとえば、親戚が集まる四十九日のころに全員で一気にやるといいでしょう。
また、遺品整理業者に頼んでやってもらうという方法もあります。鍵だけ渡せば立ち会わなくても全部やってくれる業者もありますので、利用を検討してみるといいでしょう。
【親の家に行きたくない】
●親に対する罪悪感が子どもを親の家から遠ざける
親の家に行きたくないという人もたまにいます。なぜ行きたくないのかというと、亡くなった親に対して罪悪感を覚えているからです。
たとえば、親が1人でアパートに住んでいて、子どもが近くに住んでいながら孤独死したような場合です。離れたところで一人暮らしをしている親を何度も自分のところに呼び寄せたのに、田舎がいいと拒否されたような場合は、それほど罪悪感を覚えることはありません。
しかし、近くに住んでいながら、様子を見に行くことをせず、親を孤独死させてしまった場合は、親をないがしろにしてしまった後ろめたさから、無意識のうちに親の家に行くことを避けてしまい、遺品整理にもなかなか着手できなくなってしまうようです。
●遺品の整理をすることが供養になる
このように罪悪感を覚えてしまう気持ちもわからないではありませんが、だからといって遺品をそのまま放置しておいたとしても、罪悪感が消えることはありません。
故人にとって一番寂しいのは、忘れられてしまうことだと思います。ですから、親の遺品を一つ一つ心を込めて整理することが、故人の供養になるのではないかと思います。遺品整理をすることで、親との想い出の品のいくつかを自宅に持ち帰り、毎日それを見ながら親のことを思い出すそんなふうにしてみてはいかがでしょう。
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