令和3年地価公示価格が発表!

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相続・終活マガジン

【終活】令和3年地価公示価格が発表!

2021/03/24

目次

    【令和3年地価公示価格が発表!コロナ影響で三大都市圏で下落鮮明】

    3月24日に、令和3年の地価(1月1日時点)が公示されました。

     

    全国平均では、全用途平均は平成27年以来6年ぶり、住宅地は平成28年以来5年ぶり、商業地は平成26年以来7年ぶりに下落となりました。

     

    三大都市圏(東京・大阪・名古屋)の平均を見ると、全用途平均、住宅地、商業地のいずれもが、平成25年以来8年ぶりに下落に転じました。

     

    地方圏の平均を見ると、全用途平均・商業地は平成29年以来4年ぶりに、住宅地は平成30年以来3年ぶりに下落となりました。新型コロナウイルス感染症の影響から全体的に弱含みとなっていますが、地価動向の変化の程度は地域によって異なっています。昨年からの変化は、用途別では商業地より住宅地がより大きく、地域別では、三大都市圏が地方圏より大きくなっています。

    【用途別・圏域別地価動向】

    <住宅地>

    ◆圏域別にみると

    ・東京圏の平均変動率は▲0.5%と平成25年以来8年ぶりに下落に転じた。

    ・大阪圏の平均変動率は▲0.5%と平成26年以来7年ぶりに下落に転じた。

    ・名古屋圏の平均変動率は▲1.0%と平成24年以来9年ぶりに下落に転じた。

    ・地方圏のうち、地方四市(札幌市、仙台市、広島市、福岡市)の平均変動率は2.7%と8年連続の上昇であるが、上昇率が縮小した。地方四市を除くその他の地域の平均変動率は▲0.6%と平成31年以来2年ぶりに下落に転じた。

     

    <商業地>

    ◆圏域別にみると

    ・東京圏の平均変動率は▲1.0%と平成25年以来9年ぶりに下落に転じた。

    ・大阪圏の平均変動率は▲1.8%と平成25年以来8年ぶりに下落に転じた。

    ・名古屋圏の平均変動率は▲1.7%と平成25年以来8年ぶりに下落に転じた。

    ・地方圏のうち、地方四市の平均変動率は3.1%と8年連続の上昇であるが、上昇率が縮小した。地方四市を除くその他の地域の平均変動率は▲0.9%と平成30年以来3年ぶりに下落に転じた。

     

    <工業地>

    ◆圏域別にみると

    ・東京圏の平均変動率は2.0%と8年連続の上昇、大阪圏の平均変動率は0.6%と6年連続の上昇であるが、いずれも上昇率が縮小した。名古屋圏の平均変動率は▲0.6%と平成27年以来6年ぶりに下落に転じた。

    ・地方圏のうち、地方四市の平均変動率は4.4%と8年連続の上昇であるが、上昇率が縮小した。地方四市を除くその他の地域の平均変動率は0.2%と3年連続の上昇であるが、上昇率が縮小した。

    この1年の地価動向を都道府県地価調査との共通地点における半年ごとの地価変動率でみると、住宅地、商業地とも前半(1月~6月)は緊急事態宣言により全国的に経済活動が停滞した影響から、地方四市の住宅地・商業地を除き下落となっていますが、後半(7月~12月)は景気の持ち直しの動きが広がり、取引も回復したことを背景に、大阪圏の商業地を除き、横ばい又は若干の上昇となっています。

     

    ただし、後半も下落の地点数が上昇の地点数より多く、また、例えば東京都23区の商業地の後半の平均変動率が下落となるなど地域や地点による差があること、さらに、共通地点は比較的需要が堅調であった各地域の優良な住宅地やオフィス需要が中心となる商業地が含まれる割合が高いことに留意する必要がありそうです。

    (国土交通省:圏域別・用途別対前年平均変動率より)

    【東京の地価、8年ぶり下落コロナで商業地の不調目立つ】

    東京都内の2021年の公示地価は各用途ともに8年ぶり前年比で下落に転じ、下落率は住宅地が前年比▲0.6%、商業地が1.9%、全用途は1.0%でした。新型コロナウイルスの影響で飲食や宿泊の需要が大きく減退。訪日観光客がほぼゼロとなったこともあり、銀座や浅草などの商業地は大幅な下落となりました。

     

    これまで、訪日観光客の増加と共に急速に地価が上昇していた浅草は、つくばエキスプレス浅草駅近くと地下鉄浅草駅前の調査地点がともに約12%下落し、下落率の上位に入りました。飲食店の時短要請が繰り返されたことで、飲食店が多い中央区銀座や新宿区歌舞伎町も大きく下落しました。区別に見ると、20年は練馬区を除く22区で商業地は平均5%以上上昇しましたが、21年は23区すべてが下落に転じました。

     

    コロナで大きく変わった人々の行動パターンが地価にも影響を与えています。在宅勤務が増えて地元で買い物する機会が増えたことで、住宅が多い駅前の商業地は比較的堅調です。商業地の下落率上位は杉並区、足立区、世田谷区などの駅前商店街の地点が多数入りました。都心部の地価が上がりすぎたため、周辺部に値上がりの機運がありましたが、コロナがそれを加速させたようです。

     

    住宅地も上昇にブレーキがかかりましたが、商業地に比べれば変動は緩やかです。23区のうち、港区と目黒区の地価変動率はプラスを維持しました。東京ではコロナの影響で人口増加の勢いは鈍っていますが、世界的な財政・金融の緩和により余剰資金が不動産に流れ込んでいることもあって、住宅価格は底堅く推移しています。

     

    在宅勤務の広がりで職場への近さを従来ほど考慮しなくてもいい人が増加。今回の公示地価では長野県軽井沢町の別荘地が上昇するなど「首都圏からの移住などを目的とした需要が出ている」例もあります。ただ、国交省によると、都心で不動産の売却が増えているわけではないと言います。現時点では一部の人による「2拠点生活」需要がメインとみられます。

    【大阪・ミナミが大幅下落】

    2021年の公示地価において、大阪府の商業地は2.1%下落し、下げ幅は全国で最も大きくなりました。20年は7.7%上昇と高い伸びを示しましたが、新型コロナウイルス禍でインバウンド(訪日外国人)観光客が消滅、一転して8年ぶりの下落となりました。

     

    地点別では、大阪・道頓堀の老舗フグ料理店「づぼらや」跡地が28.0%下落し、全国の商業地の下落率トップとなりました。

     

    全国の商業地の下落率トップ10のうち関西が9地点を占めました。このうち全国で5地点しかない20%超の下落となった地点は大阪・ミナミに集中します。26.5%下落した住友商事心斎橋ビルは、訪日客ブームに沸いた18年にはキタを抜いて関西で最高地点となりました。ところが、訪日需要の消滅で周辺の路面店からドラッグストアが相次ぎ撤退。家賃を下げても後継テナントが決まらない状況で土地取引も低迷し、公示地価の大幅下落を招きました。

     

    ただ、近接地では譲渡額は非公表ながら大型の土地取引が成立しており、実勢価格は公示地価を上回っているとみられます。

     

    一方、大阪・キタではJR大阪駅北側の大型商業施設「グランフロント大阪南館」が4年ぶりにカンサイの商業地の最高価格に返り咲きました。オフィス需要が訪日客消滅の影響を緩和し下落率が8.4%にとどまったためです。ただ、コロナ禍による業績悪化や在宅勤務の普及を受けたオフィス縮小の動きはこれから本格化するもようです。

     

    大阪都心部がコロナ禍で打撃を受ける中、関西の商業地の上昇率上位には、住環境のよい郊外が目立ちました。前年比8.2%の上昇で関西トップとなった大阪府箕面市船場東は、北大阪急行線の延伸による都心部への利便性向上や大阪大学の新キャンパス開設による人口増を見込んだ商業施設などの需要が高まりました。

     

    住宅地トップは隣接する同市船場西(4.5%上昇)で、上位の大阪府高槻市や兵庫県芦屋市、川西市とともにJRや阪急などの駅に近く、ベッドタウンとして評判が高い地点です。

     

    大阪都心部ではオフィス縮小による空室率の上昇が地価の軟化要因となるものの、中長期の視点から商業施設やオフィスビルの選別を進める国内外の投資家にすれば、優良物件が購入しやすくなります。こうした物件の取引価格は高水準を維持するとみられ、取引が増えれば地価の下支えとなります。

     

    今回の公示地価の下落幅は20年の基準地価よりも小幅になっており、地価は当面は緩やかに下落しつつも、コロナ後の反転攻勢の時期を探る展開となりそうです。

    【名古屋繁華街で下落 商業地は8年ぶり̠̠マイナスに】

    国土交通省と中部3県が発表した2021年の公示地価は、愛知県の商業地が8年ぶりに下落しました。新型コロナウイルスの感染拡大で繁華街の人出が減り、飲食店の集まる「錦」や「栄」で下げが目立ちました。

     

    住宅地も9年ぶりに̠転じ、今後もコロナの状況次第では、一層下落する可能性もあり、先行き不透明感が漂っています。

     

    愛知県内の商業地は前年比で̠̠マイナス1.7%となりました。商業地の調査地点482か所のうち、上昇は全体の0.4%にあたる2地点にとどまりました。20年の74.1%にあたる357地点から急減しました。一方、下落は20年が7.1%の34地点でしたが、今年は91.3%の440地点と大きく増えました。

     

    下落率が最も大きかったのは、高級クラブやラウンジ、飲食店が立ち並ぶ中部最大の歓楽街「錦3(きんさん)」にある地点でした。外出自粛による売上減の影響で15.2%下げ、全国でも7番目に大きい下落率となりました。次いで、同じく栄の3地点も下落率ん大きさで続きました。

     

    コロナ禍で客足が鈍り、商業ビルから退去する飲食店が相次ぎました。テナントが抜けたことで、にぎわいがそがれ、賃料収入の見込みを下げざるを得なくなったビルの不動産価値が下がり、周辺の地価にもそれが波及しました。

     

    ホテルが立ち並ぶ地域も下落しました。中部運輸局によると、県内の20年の宿泊施設の稼働率は37%と、19年と比べて32ポイントも低下しました。訪日外国人客(インバウンド)を含めた観光客の消失に加え、出張の減少も逆風となりました。

     

    商業地の地価上位では名古屋三越栄店が前年の2位から3位に後退しました。入れ替わって2位に食い込んだのがオフィスが多い名古屋駅前の地点で、商業地にくらべて落ち幅が小さかったことが影響したようです。

     

    住宅地も1.0%のマイナスとなりました。住宅地の調査地点1298地点のうち、上昇したのが2.9%にあたる37地点にとどまった一方、下落が80.5%の1045地点を占めました。県内で最も下がった南知多町の一角は7.8%下がり、全国でも4位の下落率を記録しました。同町は過疎化に加え、コロナ禍で主力の観光業や漁業が打撃を受けている点も下押しに繋がりました。名古屋市内は全16区のうち、13区で下落に転じました。南区など3区は上昇が続きました。

     

    愛知県内の幅広い地域で地価が下がった中で、プラスとなったり、落ち込みが小さかったりした地点には特徴があります。商業地はオフィス、住宅地は都心のマンションで上昇が目立ちました。

     

    商業地では錦2丁目のオフィスビル「名古屋鴻池ビルディング」が2.0%上昇し、商業地で最も上がった地点となりました。近隣の錦や栄で飲食店の下落が目立ったのとは対照的です。地下で首位のミッドランドスクエアもオフィス棟を併設しています。1平方メートルあたりの価格は1820万円で、前年比では1.6%の下落にとどまりました。

     

    住宅地では名古屋都心の高級住宅街である橦木町(しゅもくちょう)や白壁の上昇が目立ちました。自動車産業の集積する刈谷市や安城市の駅近くの地点や、マンション開発が進む名古屋市中区も上がりました。

     

    今後については商業地は下落が続く可能性もあるとの見方が強いようです。今回は落ち込みが限定的だったオフィスビルも足元では空室率が上昇しています。

     

    リモートワークがさらに広がり、オフィス需要が消失すれば、賃料の下押し圧力がかかるとみられるためです。住宅地は都心の人気が高まっており、目先も都心と過疎地での二極化が進みそうです。

    以下に、参考資料を紹介しておきます。

     

    参考資料:国土交通省HPより

    ①特徴的な地価動向が見られた各地点の状況

    https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/content/001391267.pdf

     

    ②都道府県別・用途別対前年平均変動率

    https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/content/001391142.pdf

     

    ③地方圏の人口10万以上の市の住宅地の平均価格等

    https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/content/001391707.pdf

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