【終活】60歳からの健康保険 仕組みを知って見極めていこう
2021/05/18
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【終活】60歳からの健康保険 仕組みを知って見極めていこう
60歳の定年が近づくと、健康保険について考えなければならなくなります。退職後も何らかの健康保険制度に加入しなければならないのですが、あまり考えたことがない方も多いと思います。今回は60歳からの健康保険について考えてみます。
【雇用延長なら勤務先の健康保険組合に】
退職後の健保は①勤め先の健康保険に加入する、②それまでの健康保険を任意継続する、③国民健康保険に加入する、④家族の健康保険の被扶養者になる-この4つが選択肢です。
どれを選んでも70歳になるまでは医療費の自己負担は3割で変わりません。選ぶ際の前提は「働く」か「働かない」か。そして、働くならどういうスタイルで働くか、です。
60歳で定年になっても、継続雇用などで同じ会社で勤務を続けたり、別の会社に再就職したりしてフルタイムで働くなら①勤め先の健康保険に加入する、になります。勤め先が手続きをしてくれます。継続雇用ではそれまでの健保をいったん脱退し、同じ日に再加入することになります。最長で後期高齢者医療制度に移行する75歳になるまで加入することができます。
パートやアルバイトで働く場合も健保に入りやすくなりました。以前の加入条件は、週の労働時間と1カ月の労働日数がフルタイムの4分の3以上でしたが、2016年10月以降、従業員500人超の企業では週労働時間20時間以上、月額賃金8.8万円以上などに緩和されました。加入のハードルが下がり、週3日勤務などでも勤め先の健保に加入する人が増えています。
いずれも定年前に比べ給与は下がることが多いですが、健保の保険料も下がった給与に基づいた水準になります。毎月の保険料は原則として会社が半分負担してくれます。
【フルタイム以外は「任意継続」も】
パートやアルバイトで健保の加入条件を満たさなかったり、会社に属さずフリーランスで働いたりする場合や、またはもう働かないという人は②③④のどれかを選ぶことになります。いずれも退職日から手続きの期限まで日数が少ないので気を付けなければなりません。
②の任意継続は退職前に加入していた健保に2年だけ加入することができる制度です。退職日までに継続して2カ月以上の被保険者期間があることが条件なので、多くの人が該当します。退職前は会社と折半だった保険料は全額自己負担になります。退職前の月収(標準報酬月額)を基に金額は決まりますが、極端な高額にならないよう上限も設けられています。原則2年間加入し続けます。
③は主に自営業者らが加入する国保に住まいのある市区町村で加入しています。保険料は前年の所得や世帯人数などに応じて市区町村が独自に決めるので居住地で異なります。
選択のポイントは毎月納める保険料です。最もお得なのは④の被扶養者で、自己負担はゼロです。ですが、年金なども含めて年収180万円未満(60歳以上)という基準に沿って各健保が条件を定めているので、誰でも選べるわけではありません。国保は退職前の所得水準が反映されるため1年目は保険料が高くなる傾向があります。一般に任意継続の方が負担が少ないとされますが、住んでいる市区町村に国保の仕組みを確認し、保険料がいくらか試算してもらうと良いでしょう。
家族の状況や利用できるサービスも考慮した方が良いでしょう。任意継続は家族も含め、退職前とほぼ同じ給付を受けることができます。配偶者がいれば被扶養者となり、保険料負担はゼロです。
一方の国保では配偶者も被保険者となるので、その分の保険料もかかります。健保組合によっては有利な付加給付や福利厚生の制度があり、利用できる場合もあります。迷ったときは比較的簡単に加入でき、メリットも多い任意継続を選ぶ方が無難です。その場合は2年後に国保など新たな加入先を再度決める必要があります。
健保と厚生年金の関係も知っておくと良いでしょう。例えば、健保では夫が被保険者で妻が被扶養者、年金では夫が第2号被保険者で妻が第3号被保険者のケースは良くあります。健保では夫が被保険者を続ければ妻はその期間は被扶養者でいられますが、年金では妻が第3号でいられるのは妻が60歳になるまでか、夫が65歳になるまでです。夫が65歳になったときに妻が60歳未満だったら、妻は第1号被保険者への種別変更をしなければなりません。「健保の保険料は納めなくても良いが、国民年金の保険料を納めなければならない」ので注意が必要です。
いつから終活を始めたら良いか?は良く問われる質問です。50歳を迎えたら考え始めるのが良いと思いますが、その際に、60歳代になってどう働き、どう社会保障制度を利用するかは一つのテーマです。今回の健康保険についてもぜひ参考にしてみてください。
この記事は終活を考えている人、終活をやっている人のために、参考になればと書かれています。終活について、ご質問、ご相談があれば、お気軽に「終活について教えて欲しい」とご連絡ください。「終活」のアドバイザーがお答えします。あなたの大切な「終活」を充実した「終活」にしていただくために、終活のアドバイスさせていただきます!
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