【終活】社会は大きく変化する?ベーシックインカムも今後は議論に

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相続・終活マガジン

【終活】社会は大きく変化する?ベーシックインカムも今後は議論に

2021/05/18

【終活】社会は大きく変化する?ベーシックインカムも今後は議論に

日本維新の会が次期衆院選に向けた経済政策の柱として「日本大改革プラン」を発表しました。既存の社会保障を統合し「ベーシックインカム」(BI、最低所得保障)を導入すると明記しました。消費税や所得税、法人税の減税や相続税の廃止を主張しました。

 

ベーシックインカムとは何か?これは、今後の終活にも大きく影響をしてきますので、知っておくことも大切です。今回はベーシックインカムについて、世界の動きも踏まえてお届けします。

 

【ベーシックインカムとは】

社会保障の安全網の考え方の一つです。政府がすべての国民に一定額を定期的に配り、必要最低限の収入を保障します。生活保護と異なり、個々の所得や資産の多寡、家族環境などの条件を問わないのが基本理念です。新型コロナウイルス危機で議論が再燃し、欧州を中心に限定的な制度の導入や実験が広がりつつあります。

 

その他の政策との大きな違いは、「失業保険」「医療補助」「養育費・子育て支援」等の個別の名目ではなく、保証を一元化して「国民生活の最低限の収入(ベーシックインカム)を補償する」ことが目的です。

 

【ベーシックインカムを巡る世界の状況】

世界大恐慌や第2次世界大戦の後、豊かな国の有権者と政府は国家と国民との関係を作り直しました。新型コロナウイルス感染症がパンデミック(世界的大流行)になったいま、社会保障支出に関する古いルールが破られようとしています。

 

米国民の4分の3以上はバイデン大統領が提案した1.9兆ドル(約200兆円)の経済対策法案を支持しています。1人最大1400ドルの現金給付を盛り込んだ同法案は議会上院で可決されました。

 

そして、英政府は3日に発表した2021年度の予算案で、休業者の給与を補填する制度を9月末まで延長しました。公的債務が1945年以来の水準に膨らんでいるにもかかわらずです。

 

こうした大胆さには危険が伴います。政府が公的財政を限界点まで拡張することで、働くインセンティブがゆがめられ、社会の硬直化を招く恐れがあるからです。その一方で、政府にはチャンスもあります。財政的に無理のない範囲で、労働者が破壊的な技術革新の波を乗り越えられるよう支援する社会福祉政策を新たに生み出すチャンスとも言えます。

 

この1年は社会保障制度の大胆な実験を目にしてきました。20年には世界で少なくとも1600の新たな制度が設けられました。豊かな国は記録的な数の労働者を支援するため、国内総生産(GDP)の平均5.8%相当を費やしています。政府債務は積みあがっていますが、今のところ金利は低いので返済負担は抑えられます。

 

世論の空気はすでに変わってきました。英国民は怠け者が福祉国家のすねをかじるとぼやくと言われていましたが、今では支援の出し渋りに文句を言いそうです。昨年は欧州市民の3分の2以上が、政府があらゆる人に最低限の所得水準を保証する「ユニバーサル・ベーシックインカム(UBI)」に支持を表明しました。

 

【疑似ベーシックインカムが米国で静かに始動】

バイデン米政権は、最低限の所得をあらゆる家庭に保障する「ベーシックインカム」に似た制度の構築を静かに進めています。3月に2021年に限って拡充を決めた子育て世帯に対する税額控除を使い、7月から毎月一定額を対象家庭に給付します。制度を定着させ、期間延長に反対する野党を揺さぶる狙いがあるとされます。

 

「およそ3900万世帯、全米の子供の88%が対象になる」。バイデン政権は2021年5月17日、子育て世帯を対象とする税額控除制度を利用して、7月15日から銀行の自動振り込みや小切手の送付によって「給付金」を毎月届けると発表しました。

 

3月に政権と議会が決めた1.9兆ドル(約200兆円)の経済対策「米国救済計画」は、子どものいる世帯の税額控除を拡充しました。21年に限り、6~17歳の子供一人につき最大3000ドル、6歳未満は同3600ドルを上限としました。従来は最大2000ドルでした。

税額控除とはいうものの、事実上の「子ども手当」となっています。一定の所得(カップルの共同申告で年15万ドル)から控除額は減る一方、低所得で納税額が少ない場合でも控除額を満額利用できる「給付付き税額控除」の仕組みを採用しているからです。

 

本来なら利用できるのは21年分の確定申告を終えてからです。今回は新型コロナウイルス対策として子育て世帯の支援を急ぎ、格差是正につなげるため、過去のデータから類推して21年中に控除額の最大半分を「前払い」することを議会で決めています。

 

年間の控除額を月割りにし、7月から毎月15日をメドに最大で6歳未満の子ども1人あたり月300ドル、6歳以上なら同じく250ドル配ります。例えば、5歳と11歳の子供2人がいる対象家庭なら月550ドルを受け取れます。税務申告をしていない人でも制度を簡単に利用できるようにオンラインのポータルサイトを設けるといいます。

 

政府が毎月一定額を給付する仕組みのため、米国内でも「ベーシックインカムに似ている」との指摘があります。保守派は「この種のベーシックインカムはより多くのアメリカ人を政府に依存させる」(共和党のマルコ・ルビオ上院議員)と批判しています。

 

実際は所得制限があるうえ、子育て世帯に対象を限っており、収入や就労、家庭環境などの条件を問わず最低所得を保障するベーシックインカムとは異なります。とはいえ、できる限り幅広い家庭に給付金を定期的に配るという思想は共通しています。

 

バイデン政権は4月に打ち出した長期の子育て・教育支援構想「米国家族計画」で、今回の税額控除を25年末まで延長するよう提案しました。この計画は富裕層増税を財源に所得の再配分を強化することを目指し、野党・共和党は強く反対しています。

 

政権側には党派を問わず個々の家庭に毎月現金を配り始めれば、簡単にはやめられなくなるとの読みがあります。22年の中間選挙が近づくほど、支持者がいったん手にした恩恵を奪うことは共和党も難しくなります。

 

米議会調査局によると、今回の1年限りの税額控除拡充にかかる財政コストは1100億ドルと見込まれます。バイデン政権は制度を徐々に浸透させながら、「家族計画」など経済政策の次の一手をめぐって進めている議会との調整を有利に運ぶことを目指しているようです。

 

【コロナ前からきしむ富裕国のセーフティーネット】

多くの富裕国の社会的セーフティーネット(安全網)はコロナ禍前からきしみ始めていました。「鉄血宰相」として知られるドイツのビスマルクや英経済学者ウィリアム・ベヴァリッジの構想をモデルにしたセーフティーネットは多くの場合、グローバル化や技術的・社会的変化から労働者を守れませんでした。1999~2019年の間、米国では25~54歳の非労働人口が25%(470万人)増加し、離職者向けの主な支援給付を受給した人数の6倍以上に達しました。

 

近年では医療・年金費用の急増に伴い、政府は労働年齢人口への支援を縮小しています。英国では14~18年の間、他の福祉予算が165億ポンド(約2兆4700億円)縮小されたにもかかわらず、公的年金支出は実質ベースで40億ポンド増加しました。中間所得層の雇用の割合が減り、ネット経由で単発の仕事を受発注ギグエコノミーが成長する中、労働市場は融通のきかない政府をしのぐ速さで変化しているとの懸念が強まっています。

 

場当たり的な財政出動で景気を刺激したり、UBIのように一律の措置を導入したりすることは、世論や一部の経済学者の後押しもあって政治家には魅力的に映ります。しかし、むしろ政治家に必要なのは、慎重かつ長期的な視点です。セーフティーネットは財政に無理のないものでなければなりません。20年代を特徴づけるのは予算の厳しさであって、豊かさではないでしょう。

 

【インターネットや銀行口座へのアクセスは必須】

主要先進国の年間赤字額はパンデミック前でさえGDPの4%相当で、多くの国ではまだ高齢化の途上にあります。債権利回りはすでに再び上昇しています。社会保障支出は必要とする人々へ迅速かつ自動的に回らねばならず、政府が慌てて緊急法案を可決する米国のように危機下だけのことであってはなりません。さらに政府は、働く意欲をそいだり経済のダイナミズムを奪ったりすることなく、労働者を所得ショックから効果的に守れるような仕組みを見出す必要があります。

 

これらの目標達成に向けた第一歩は、テクノロジーを活用して古い官僚主義的手続きの効率化を図ることです。郵便小切手や80年代の汎用コンピューター、粗雑なデータは過去に追いやらねばなりません。

 

パンデミック下で多くの国の政府は、時間がかかりすぎるという理由で既存の制度を一時的に簡略化しました。エストニアとシンガポールではデジタルIDと脱・紙文化を進めていたことが、コロナ禍では恩恵として生きました。より多くの国が両国を手本にすると同時に、インターネットや銀行口座を誰もが利用できるようにしなければなりません。

 

行政の効率化を求める声はわずかな改善にすぎませんが、米国で賃金補助の対象となる貧困層の5人に1人は声を上げるすべがありません。支払いのデジタル化が進めば、安全策としてコストのかかる普遍的な制度を敷く必要性はなくなり、一段と的を絞った迅速な対応ができるようになります。デジタル化の下では全世帯へ一時的に現金で支払うという非常時の選択も可能になります。

 

これは簡単な部分であって、難しいのは気前の良い財政と経済のダイナミズムとのバランスをとることです。解決策の一つは低所得の賃金補助で、アングロサクソン諸国では90年代や00年代の改革以来、これがうまく機能しています。しかし、賃金補助は失業者を救う役には立たず、どうすることもできない理由で良い仕事を失う人への補償は乏しい場合が多くなります。英米では失業者支援が薄いため、働くインセンティブは失われませんが、人的コストは高くつきます。

 

【デンマークは職業再訓練に多額の資金】

生活水準の向上につながる創造的破壊への政治的な支持は、社会保障の手薄さが原因で低下しています。大陸欧州は従来型の労働者の所得をより手厚く保障する傾向があります。しかし、インセンティブのゆがみは失業の増加につながるとともに、厚遇されるインサイダー(正規雇用労働者)とプレカリアート(非正規雇用など不安定な立場の労働者)との間に亀裂を生みます。ギグワーカー(インターネット上のプラットフォームサービスを介して単発の仕事を請け負う労働者のこと)や自営業者を保障する恒久的なセーフティーネットは欧州にも米国にも存在しません。

 

労働市場の柔軟性と気前の良い財政を兼ね備えた国が一つあります。職業再訓練や失業者への助言に多額の資金(18年はGDPの1.9%相当)を費やすデンマークです。こうした介入の仕方は失業者が依存体質に陥るのを防ぎます。他国では政策の力不足がしばしば目につきます。英国の試みは頓挫しています。米国では「貿易調整支援(自由貿易で影響を被る労働者への支援)」の恩恵を運良く受けられる少数の人が10年間で平均5万ドル多く収入を得ているものの、デンマークと比較可能な財政支出は同国の20分の1にも届きません。

 

社会保障制度は長年にわたって高齢者と時代遅れのセーフティーネットを優先してきました。社会保障制度はテクノロジーを活用して創造的破壊の犠牲となる工場労働者から子育て中にスキルが落ちてしまった母親、機械に仕事を奪われる人まですべてを支援するという、積極的な労働市場政策を中心に再構築されるべきです。政府にリスクを排除することはできませんが、災難に見舞われても人々が立ち直れるように手助けすることはできます。

 

【社会保障制度のありかたの議論は続く】

2021年11月のニューヨーク市長選で、6月の民主党予備選に向けて台湾実業家のアンドリュー・ヤン氏がリードを広げています。今回の市長選でも公約の目玉は「米国最大規模のベーシック・インカム(最低所得保障)計画」です。この計画を掲げるヤン氏は民間の世論調査で2位の候補者の2倍の支持を集めています。

 

このように、具体的に米国でも選挙公約として議論がなされています。日本でも日本維新の会が次の衆院選の公約にベーシックインカムを掲げると前述しましたが、世界各地でベーシックインカムが今後、ますます議論されるようになるでしょう。

 

私たちが当たり前に考えている老齢年金なども、今後は当たり前ではなくなる可能性があります。今後、日本だけではなく、世界の主要国は高齢化や人口減少を迎えます。社会保障制度が今のままで継続される可能性は薄くなります。

 

私たちも終活をする上で、当たり前に思っていることが当たり前ではなくなる。それは、日本国内だけの議論ではなく、世界の流れを踏まえた議論になっていくはずです。

 

世界的に社会保障制度のあり方についての議論は続き、そして大きな変化を迎えることでしょう。

 


この記事は終活を考えている人、終活をやっている人のために、参考になればと書かれています。終活について、ご質問、ご相談があれば、お気軽に「終活について教えて欲しい」とご連絡ください。「終活」のアドバイザーがお答えします。あなたの大切な「終活」を充実した「終活」にしていただくために、終活のアドバイスさせていただきます!

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