【終活】【相続】空き家を取り巻く事情 コロナも影響 実家が負動産に

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相続・終活マガジン

【終活】【相続】空き家を取り巻く事情 コロナも影響 実家が負動産に

2021/05/19

目次

    終活を行っていく際に、空き家の問題は年々大きくなっています。全国で約849万戸にまで空き家は拡大しました。終活を考えている人でも「我が家に限っては大丈夫」と思っている人が多くあります。しかし、現実には「大丈夫」が大丈夫ではなかったという例も多々あります。実は思った以上に費用が掛かるのが空き家の維持です。また、コロナ禍の影響から、空き家の管理や処分はますます難しさを増している面もあります。空き家を取り巻く事情について考えてみましょう

    【積立金かかり続け】

    「空き家は実際に保有して初めて気が付くコストが多い」とは実際に空き家を保有した人が良く口にする話です。必要な費用として、固定資産税と水道光熱費、そして火災保険料があります。公共料金や保険料は空き家なら不要と思われるかもしれませんが、「水道や電気を止めると、空き家の適切な管理が難しくなる」こともあります。例えば、掃除や修繕をする際に照明がつかず、トイレなども使えない状態では掃除や修繕も行き届かなくなる可能性があります。

    火災保険も盲点で「空き家は放火被害などに遭いやすい面があり、無保険状態のリスクは高い」と言われています。空き家は住宅に比べて保険料が高い一般物件とされ、保険料負担が増す例もあります。居住者がいなくても家財が残って今後、誰かが住む可能性があるなら住宅の扱いのままという場合もありえますので、保険会社にきちんと確認しておく方が無難です。

     

    火災保険は期限にも注意が必要です。親が支払っていた場合、火災保険の引き落とし口座が変わる、名義が変わるなどの変化があります。その際に、切り替えや更新ができていなければ、万が一に対応できませんので、注意しましょう。

     

    家の種類によっては別の費用も掛かります。戸建てでは庭木のせん定などの費用が典型です。庭の草木の放置は近隣住宅との間でトラブルになる可能性があります。一方、マンションの場合は、空き家になっても管理費や修繕積立金は払い続けるのが基本です。

     

    一段と費用負担が増す展開もあり得ます。2015年に全面施行された空き家対策特別措置法により、管理が特に不適切な物件は「特定空き家」と指定されます。その後、一定の手続きを経て固定資産税などが数倍に跳ね上がります。住宅用地の税を軽減する特例が適用されなくなるからです。自治体が解体し、後で費用請求される例もあります。

    【問題先送りは禁物】

    コロナ禍の影響は軽視できませんが、問題の先送りは避けたいところです。対策を練る時はまず自分や家族が将来、空き家に住む可能性を検討します。居住見込みがあるなら、それまで可能な限り管理して最低でも特定空き家への指定は防ぎます。逆に今後も住む人がいないなら早期に売却や賃貸へ回します。

     

    空き家になる前に親子で話し合い、家を含む親の財産を子が管理する「家族信託」契約を結んでおくのも手です。通常は弁護士や司法書士らに手数料を払って支援を受ける必要がありますが、いざという時の対応力が高まります。例えば、契約内容によっては親が介護施設に入居することになった時、子の判断で家を売却して入居費に充てられます。

     

    国土交通省の調査では空き家の2割は20年以上、居住者がいません。一度、人が住まなくなると、建物の傷みが進んで再居住や売却が難しくなり、空き家期間が長引く悪循環が見て取れます。空き家保有者も高齢化するほど処分へのモチベーションが落ち込みます。空き家になった時はとにかく対応を先延ばしせず、管理や処分の方針を決めることが、無駄なコストを抑える最善の策です。

    【相続空き家 売るなら早く】

    空き家を売却するか、賃貸するかを選ぶときには税の知識が欠かせません。税制度上の利点が多いのは売却です。2016年4月、一定条件を満たす相続空き家を売ると譲渡所得から最高3000万円を控除できる特例が導入されました。23年末までの売却に適用されます。ただ、厳しい条件があります。

     

    ①1981年5月31日以前に建った家のみで、マンションなど区分所有物件は除く。②解体か耐震リフォームをしたうえで、相続開始から3年を経過する日が属する年の12月末までに売る。③譲渡価格は1億円以下-などが求められます。

    コロナ禍の影響も出てきています。外出自粛要請などで、遠隔地の空き家へ管理に出かけられなくなる所有者が多くなっています。また、空き家を兄弟などで共有する家族は感染懸念から処分方針などを話し合う場が作れないといった悩みも増えています。

    相続税が課された後の売却では「取得費加算特例」という別の仕組みもあります。相続した家を一定期間内に売ると、相続税額の一部を取得費に加えて譲渡所得を減らせます。空き家の3000万円控除とは併用できず、いずれかを選ぶことになりますが、大半の場合は3000万円控除が有利です。もっとも、取得費加算特例は、マンションなど空き家の3000万円控除の対象外物件でも、使える可能性があります。

     

    20年7月からは居住などに使っておらず、かつ5年超所有していた「低未利用土地」を売った場合、譲渡所得から100万円を控除できる制度も新設されました。こちらは22年末までの売却が対象で、譲渡価格は500万円以下などの条件があります。価格が低いものに限られるため、地方郊外の老朽物件が主な対象になりそうです。

     

    空き家を賃貸へ回す時も税的メリットが生じる例はあります。相続前に賃貸に出せば、相続税を計算するベースになる土地や建物の評価額が下がることがあるからです。評価減には、親と同居していた子らが使える「小規模宅地の特例」という仕組みもありますが、空き家化する物件は一般に親子が同居していないのが普通で、賃貸による税負担軽減は検討に値します。ただ、賃貸期間が短い場合などは想定通りの評価減とならないこともあります。

     

    各種の税制度は買い手も、借り手も見つからない空き家では利用余地が基本的にありません。

    【空き家大国 38年に2200万戸に拡大か】

    空き家は2018年で約849万戸。既に7戸に1戸は空き家という状況ですが、増加はこれから本番かもしれません。大きな理由は人口に続き、世帯も近く減少が始まることです。

     

    国立社会保障・人口問題研究所の推計では23年をピークに日本の世帯総数は減少に転じます。高齢単身世帯の持ち家などを中心に急激に空き家が増えかねません。

    (出典:総務省統計局 平成30年住宅・土地統計調査)

     

    15年の空き家特別対策措置法の全面施行後は、空き家の除却(解体)は進んだとみられますが、先行きは不透明です。野村総合研究所の予測によると、2038年の空き家は法施行後の除却水準が今後も続けば1343万戸にとどまりますが、法施行前(08年~12年度)の除却水準に戻ると2200万戸に跳ね上がります。持ち家世帯なら誰もが空き家リスクを意識せざるを得ない時期が迫っています。


    この記事は終活を考えている人、終活をやっている人のために、参考になればと書かれています。終活について、ご質問、ご相談があれば、お気軽に「終活について教えて欲しい」とご連絡ください。「終活」のアドバイザーがお答えします。あなたの大切な「終活」を充実した「終活」にしていただくために、終活のアドバイスさせていただきます!

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