【事業承継】従業員承継とは

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相続・終活マガジン

【事業承継】従業員承継とは

2022/05/20

【事業承継】従業員承継とは

【従業員承継とは】

親族に後継者候補がいない場合には、親族以外への承継を検討することになります。親族以外に、事業を承継させるには、①従業員や役員に承継する場合と、②M&Aを利用して、第三者に承継する場合とが考えられます。特に、事業を熟知した番頭格の役員、優秀な若手従業員等がいる場合には、①の方法が有用な選択肢となるでしょう。そこで、今回は、①の方法を説明します。

 

「従業員承継」とは、文字通り、従業員に事業を承継することを言います。一般的には、会社の役員に承継する場合も含めて言うことが多く、「会社内承継」ということもあります。日本では、親族内承継に次いで、頻繁に利用されている形態です。なお、ここでの経営とは、株式会社の経営を前提としてお話させていただきます。

 

【従業員承継の方法と特徴を理解しよう】

●「従業員承継」の特徴って?

従業員承継のメリットやデメリットについてまず簡単に説明します。メリットとしては次の点があげられます。

 

①子ども等の親族に適任者がいない場合であっても、従業員や役員の中から、最も資質のある者を選ぶことができるので、後継者の選択肢が広がること。

 

②会社のことをよく知った者がバトンを受け取ることになるので、親族内承継と同様に、他の従業員や取引先の理解を得やすいこと。

 

③会社の事業内容については充分把握しており、後継者教育の時間が短縮できること。

 

他方、デメリットとして、

 

①資金力がないことが多いこと。

 

②会社の借入金について、個人保証(連帯保証)をしなければならないこと。

 

といった側面があります。

 

簡単に説明すると、従業員や役員が後継者となる場合、社長という「地位」を受け継ぐことで「経営」を受け継ぎますが、株式を取得しなければ、会社に対する所有を取得することはできません。

 

多くの場合、後継者となるにあたっては、株式を現在の経営者から買い取ることになりますが、そのための資金が問題になります。また、中小企業の社長の多くは、銀行等の金融機関から借入をしていますが、その借入について、金融機関から、新社長が「連帯保証人」になることが求められます。

 

●従業員承継の方法にはどのようなものがあるか?

①従業員が株式を全て取得する場合

従業員が株式を取得することにより、所有と経営のバランスを図ることができます。最も一般的な方法は、株式を購入することで、特に従業員がこの方法をとる場合を、「EBO(EmployeeBuyout)」と言います。しかし、従業員や役員は、資金が不足していることが多いため、資金的なケアが問題になってきます。

 

例えば、役員を後継者とした場合には、役員報酬の金額を増額して将来の株式取得のための資金を貯めさせるといった方法も考えられますし、株式買取資金について、新経営者の能力や事業の将来性を鑑み、金融機関、あるいは投資会社等の出資等を受けることができる場合もあります。あるいは、資金がないことから、対価を生じさせないで株式を移す、つまり、株式を「贈与」または「遺贈する」という方法もあります。

 

②現経営者が株式を保有する場合

株式を購入する資金がないのであれば、現経営者が株主であり続けるという方法です。しかし、これでは、現経営者がバトンタッチ後も、いつでも「大株主」として会社の重要な業務の決定や、あるいは新しい経営者を株主総会で解任できることになってしまいます。その結果、従業員が不安感から、承継を断ってしまうということもあり得るでしょう。

 

そこで「種類株式」を活用することが有用です。種類株式とは、端的には、「権利の内容が異なる株式」を言います。一例として、「議決権制限株式」(議決権がない株式や議決権に制限が付された株式)の大量発行と「議決権のある普通株式」とを組み合わせるといった方法が考えられます。

 

つまり現経営者には、議決権に制限のある株式を保有させ、承継後も、配当や会社に対する所有を残しつつも、事業の承継者である従業員には、議決権のある株式を保有させることにより、会社の経営の決定権を付与させ、また、地位の安定化を図るという方法です。

 

【適正な承継者を選ぶだけではなく、株式の譲渡方法をよく考える必要がある】

従業員承継の場合、経営に熟知している者であるという利点はある一方、承継者の年齢等も考慮する必要があります。あまり年齢が近い者であっては承継の意味がないからです。年齢的にも資質的にも適正な承継者が見つかったとして、従業員承継では、「どのような方法で、株式を取得させるのか」という点が非常に重要になってきます。

 

株式を従業員に遺贈したとしても、現経営者が死亡した際に、子どもたちが遺留分を侵害されたとして、承継者に対し、遺留分侵害請求をし、結果、承継者が会社の経営を手放さざるを得なくなることも考えられます。現経営者に子ども等、遺産を相続させるべき者がいない場合には有用な方法と言えますが、そうではない場合、遺留分侵害請求との兼ね合いも考えておかなければなりません。

 

他方、無議決権株式と普通株式の併用による場合でも、議決権が承継者にあるとすると、承継した途端、新経営者が、新株式を次々と発行して、旧経営者の保有する株式を薄めてしまい、無議決権株式を残して配当等を得ようとした意味が無くなってしまうことも考えられます。ですので、すべての普通株式を手放すのではなく、新株発行等の特別決議に対しては拒否ができるよう、議決権全体の3分の1を超える数は保有するようにしておく、といったこと等も考えておかなければなりません。


この記事は事業承継を考えている人、又は事業承継の対策を考えている人のために、参考になればと書かれています。事業承継について、ご質問、ご相談があれば、お気軽に「事業承継について教えて欲しい」とご連絡ください。「事業承継」のアドバイザーがお答えします。あなたの大切な「事業承継」をより良き「事業承継」にしていただくために、事業承継のアドバイスさせていただきます!

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