【終活】介護保険料、高所得者引き上げ検討 1割負担は維持へ

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相続・終活マガジン

【終活】介護保険料、高所得者引き上げ検討 1割負担は維持へ

2022/10/27

目次

    【介護保険料、高所得者引上げ検討(日経新聞より)】

    厚生労働省は65歳以上で所得が多い人の介護保険料を引き上げる方向で検討に入った。現在は年間の所得が320万円を超える人の保険料が最も大きくなる仕組みで、さらに高額の所得がある一部の人の保険料を上げる。一方でサービス利用時の自己負担割合は原則1割で据え置く方向で調整する。高齢化に伴い介護費は大きく伸び、財源の確保が課題となる。

     

    所得が多い高齢者の保険料引き上げは2024年度改定での実施を目指す。近く開く社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の部会で議論し、今年末までにまとめる。

     

    介護保険制度では現在、サービスにかかる費用のうち原則として1割が利用時の負担になっている。残り9割のうち半分は国や自治体が拠出し、半分は40歳以上が支払う介護保険料が財源だ。

     

    厚労省は65歳以上が払う「第1号」の保険料の見直しを目指す。現在は市町村ごとの基準額をもとに、所得に応じて0.30~1.70倍にする9段階の設定になっている。保険料が最も高い9段階目は、所得が年320万円以上の人が対象だ。厚労省案では10段階目以上を設定し、倍率を上げる。対象の所得水準や倍率は今後詰める。

     

    22年時点では全国平均の基準額は月6014円。最も低い第1段階は1804円、最も高い第9段階は1万224円だ。9段階は国が示す目安で、一部の自治体ではすでに高額所得者に高い保険料を設定している。

     

    一方、サービス利用時の負担額を現行の原則1割から2割に引き上げる案は見送る方向だ。現在は一定所得以上の人は2割負担となっており、対象の拡大は引き続き検討する。

     

    介護の費用は拡大が続いている。利用者の自己負担分を除いた介護給付費は20年度に初めて10兆円を超え、制度が始まった00年度に比べて3倍以上に膨らんだ。人口の高齢化で今後も増える見通しで、保険料やサービス利用時の負担は見直しが求められている。

    (引用:日経新聞2022年10月26日)


    介護保険制度がスタートしたのは、2000年のことですが、創設の背景には年々深刻化する高齢化社会への対応問題があります。

    日本の高齢化の現実を見ておきましょう。

    【日本の高齢化の現実】

    日本の総人口は、令和3年10月1日現在、1億2,550万人となっています。65歳以上の人口は3,621万人となり、総人口に占める割合(高齢化率)も28.9%となりました。また、65歳以上人口のうち「65~74歳人口」は1,754万人で総人口に占める割合は14.0%となっています。また、「75歳以上人口」は1,867万人で総人口に占める割合は14.9%であり、65~74歳人口を上回っています。

    平成29年4月に国立社会保障・人口問題研究所が公表した「日本の将来推計人口」における出生中位・死亡中位仮定による推計結果を元に見てみます。

     

    日本の総人口は長期の人口減少過程に入っており、令和11年に人口1億2,000万人を下回った後も減少を続け、令和35年には1億人を割って9,924万人となり、令和47年(2065年)には8,808万人になると推計されています。

     

    65歳以上の人口は、「団塊の世代」が65歳以上となった平成27年に3,379万人となり、「団塊の世代」が75歳以上となる令和7年には3,677万人に達すると見込まれています。

     

    その後も65歳以上人口は増加傾向が続き、令和24年に3,935万人でピークを迎え、その後は減少に転じると推計されています。

    総人口が減少する中で65歳以上の者が増加することにより高齢化率は上昇を続け、令和18年33.3%となり、国民の3人の1人が65歳以上の者となります。令和24年以降は65歳以上人口が減少に転じても高齢化率は上昇を続け、令和47年には38.4%に達して、国民の約2.6人に1人が65歳以上の者となる社会が到来すると推計されています。

     

    総人口に占める75歳以上人口の割合は、令和47年には25.5%となり、約3.9人に1人が75歳以上の者となると推計されています。

    65歳以上人口のうち、65~74歳人口は「団塊の世代」が高齢期に入った後に平成28年の1,767万人でピークを迎えました。その後は、増減を繰り返し、令和23年の1,715万人に至った後、減少に転じると推計されています。

     

    一方、75歳以上人口は、令和36年まで増加傾向が続くものと見込まれています。

     

    65歳以上人口と15歳~64歳人口の比率を見ると、昭和25年には65歳以上の者1人に対して現役世代(15~64歳の者)12.1人がいたのに対して、令和2年には65歳以上の者1人に対して現役世代2.1人になっています。今後、高齢化比率は上昇し、現役世代の割合は低下し、令和47年には、65歳以上の者1人に対して現役世代1.3人という比率になります。

     

    出生数は減少を続け、令和47年には56万人になると推計されています。この減少により、年少人口(0~14歳)は令和38年に1,000万人を割り、令和47年には898万人と、令和3年の6割程度になると推計されています。

     

    出生数の減少は、生産年齢人口にまで影響を及ぼし、令和11年に6,951万人と7,000万人を割り、令和47年には4,529万人となると推計されています。

     

    一方、65歳以上人口の増大により死亡数は増加、死亡率(人口1,000人当たりの死亡数)は上昇を続け、令和47年には17.7になると推計されています。

     

    日本人の平均寿命は、令和2年現在、男性81.56年、女性87.71年と、前年に比べて男性は0.15年、女性は0.26年上回りました。今後、男女とも平均寿命は延びて、令和47年には、男性84.95年、女性91.35年となり、女性は90年を超えると見込まれます。

    【介護保険の財源】

    (出典:令和4年3月24日:介護保険制度をめぐる最近の動向)

     

    現在、介護保険の財源は保険料と公費の半々です。40歳以上が介護保険料を負担するわけですが、その人数は減少します。そして、介護給付費は増大します。したがって、財源が不足することは火を見るより明らかです。

     

    そのため、高所得層での保険料引き上げは必然といえるでしょう。

     

    介護保険の給付費は創設時の4倍に膨らんでいます。12.3兆円に膨らんでいます。創設当時に想定した財源ではとても賄えません。したがって、今回の高所得者層の保険料引き上げ検討だけではなく、今後も二つの方向性で財源確保が進んでいくでしょう。

    一つは40歳以上と定めた介護保険料の納付開始年齢の引き下げ、二つ目は負担の累進性の強化、つまり所得の多い層への負担強化です。

     

    いずれも国民に負担を強いることになるために、少しでも要介護者を減らすための方策を厚労省も考えているわけです。

     

    しかし、高齢者が増え、若年者が減る現実は変わることはないので、方向性としては、上記2つの財源確保の道は進んでいくことになるでしょう。

     

    高齢化の波は、留まることはなく、私たちは国の制度に身を任せていればよいとはなりそうもありません。もちろん、制度を維持するために、必要な負担はすべきと思いますが、それ以外に、自助努力が相当大切である時代になりました。

     

    高校生から金融の事業を受けるということになりましたが、これは非常に良いことだと思います。高齢化の現実を知った上で、それでも私たちは「心豊かに」生きていくためにも、金融や投資のことについて、学んでおいた方がよさそうです。

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