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相続・終活マガジン

遺留分について②

2020/12/24

目次

    【遺留分の計算方法】

    遺留分の計算方法について、見てみましょう。以下、ステップに従って、解説します。

     

    ステップ1 

    <遺留分計算の基礎となる財産額を計算する>

     

    相続の開始時の財産 + 贈与した財産 + 相続した債務

    =遺留分計算の基礎となる財産額

     

    ※対象となる贈与財産

    ・相続開始前1年以内の贈与

    ・当事者が遺留分を侵すことを承知の上で行われた贈与

    ・遺留分を侵すことを承知の上で行われた売却

    (2,000万円の不動産を100万円で売却した等)

    ・特別受益にあたる贈与(注1)

     

     

    ステップ2 

    <遺留分の額を計算する>

     

    遺留分計算の基礎となる財産額 × 遺留分の割合 × 法定相続分

    =遺留分の額

     

    =計算例=

    相続人は配偶者と子どもが2人。遺留分計算の基礎となる財産額が6,000万円の場合

     

    (配偶者の遺留分額)

    基礎となる財産額5,000万円×遺留分の割合1/2×法定相続分1/2 

    =1,250万円

     

    (子ども1人あたりの遺留分額)

    基礎となる財産額5,000万円×遺留分の割合1/2×法定相続分1/4 

    =625万円

     

     

    (注1)

    特別受益とは、相続人が被相続人から生前に贈与受けていたり、相続開始後に遺贈を受けていたり特別に被相続人から利益を受けていること言います。特別受益を受けたものが共同相続人の中にいる場合に法定相続分通りに相続分を計算すると、不公平な相続になってしまいます。

    【遺留分減殺請求の順序について】

    遺留分減殺請求の順序について考えてみます。

     

    ルール1 

    <新しいものから先に減殺する>

     

    遺贈と贈与がある場合は、遺贈の方が新しいことになります。したがって、遺贈から減殺となります。また、複数の贈与がある場合も最近の贈与から減殺することになります。

     

    例えば、相続人に遺留分が300万円あるとします。そして、Aに遺贈が200万円あり、Bに贈与が300万円あったとします。(贈与は1年前に行われていました)

     

    まず、先に減殺請求するのはAにとなります。A(受遺者)に200万円の減殺請求をします。

     

    次にB(受贈者)に残りの100万円を減殺請求することになります。

     

    ルール2 

    <複数の遺贈があるときは、価額の割合に応じて減殺する>

    ただし、被相続人が、遺言で異なる割合を指定しているときはそれに従う。

     

    例えば、相続人に遺留分300万円あるとします。そして、Aには500万円の遺贈が行われ、Bには1000万円の遺贈が行われていました。この場合、価額の割合としては、合計1500万円の遺贈に対して、Aは1/3、Bは1/2受け取っています。

     

    まず、A(受遺者)に対して、100万円(300万円の1/3)の減殺請求を行います。

     

    次にB(受遺者)に対して200万円(300万円の2/3)の減殺請求を行います。

    【遺留分をあらかじめ放棄してもらうこともできる】

    特定の相続人などに財産の多くを残したいという場合、被相続人が生きているうちに、推定相続人(相続が開始した場合に相続人となる人)に遺留分を放棄してもらう方法があります。

     

    遺留分の放棄は、家庭裁判所に申立てをして許可を得ます。そのうえで、遺言書を作り、相続させる財産と相手を指定しておけば、特定の相続人に確実に財産を残せます。

     

    とはいえ、推定相続人に遺留分を放棄することに納得してもらえなければ、この方法は使えません。生命保険金による代償金を準備して他の相続人にある程度の金銭を支払えるようにするなどして遺留分に備える方法もあります。

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