【終活】【相続】所有者不明土地法が成立 相続登記の義務化を詳しく見ておこう

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相続・終活マガジン

【終活】【相続】所有者不明土地法が成立 相続登記の義務化を詳しく見ておこう

2021/04/22

【終活】【相続】所有者不明土地法が成立 相続登記の義務化を詳しく見ておこう

所有者がわからない土地の問題を解消するための関連法が21日の参院本会議で可決され、成立しました。いよいよ相続登記の義務化が始まります。終活を行う際に、必ず、現在の自分および親の財産の名義が相続の際に相続を受けた者に登記されているかどうかは確認しておくことが重要になります。終活の際は忘れず確認しましょう。

 

2024年をめどに土地や建物の相続を知った日から3年以内に登記するよう義務付けます。相続登記の手続きも簡素になるようです。管理が難しい場合は相続した土地を手放して国庫に納められる制度も新設されます。

 

今回は、この相続登記の義務化についてみてみたいと思います。

 

所有者不明土地は2017年の所有者不明土地問題研究会(一般社団法人国土計画協会)によってその大きさが発表されました。「2016年(平成28年)時点の所有者不明土地面積は、地籍調査を活用した推計で約410万haあり、九州(土地面積:約367万ha)以上に存在する」、全国の所有者不明率は20.3%と衝撃的な内容でした。

 

「所有者不明土地」とは、所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法(法務局:http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000022.html)の定義では、「相当な努力が払われたと認められるものとして政令で定める方法による探索を行ってもなおその所有者の全部又は一部を確知することができない一筆の土地」のことを言うとされています。

 

具体的にはどのような土地を指すのでしょうか。

 

●登記簿や固定資産課税台帳など所有者が分かる台帳が更新されていない土地

全国10か所約10万筆において、最後の登記から50年以上経過している割合は、大都市では6.6%、大都市以外では26.6%。

 

●複数の台帳で記載内容が違うことから、「誰がその土地の所有者か?」を、すぐに特定することが難しい土地。

 

●所有者は特定できても、その所有者の所在(転出先や転居先)が分からない土地

 

●登記名義人がすでに亡くなっており、その相続人=所有権者が多数となっている共有地

 

●所有者がわかる台帳に、すべての共有者が記載されていない=「誰がその土地の所有者か?」が分からない共有地

 

 

【所有者不明土地の問題点とは】

所有者不明土地が増えていることが、大きな問題として取り上げられるきっかけは「東日本大震災」でした。

 

東日本大震災では大規模な津波が発生し、海沿いを中心に大きな被害が出ました。震災からの復興のために大きな堤防を作ったり、改めて土地の区画整理をして街の復興と震災・津波に強い街づくりを進めるために、国や自治体はその用地の買収などを行う必要がありました。

 

ところが、登記簿に記載されている不動産所有者と連絡が取れない事態が多発し、必要な復興事業がなかなか進められない状況になりました。

 

それ以前から、道路を作るなどの公共事業や、大規模な開発のための用地買収などの際にもこの問題はあったはずですが、改めて東日本大震災で所有者不明土地の増加が大きな問題としてクローズアップされることになりました。

 

この他にも固定資産税などの課税の問題もあります。地方の土地などは評価額が低く課税されていない土地も少なくありません。登記が変更されていなくても運用上は市区町村税務事務所が実質の所有者、居住者などに納付書を送るなどして対応しています。しかし、空き家なども増えている現状を考えれば、いずれ所有者不明土地の納税義務者を特定することができなくなるでしょう。

 

所有者不明土地は上記の問題以外にも、空き家や管理されていない土地も少なくないため、治安や環境の悪化につながる恐れもあります。

 

日本では所有権は非常に強い権利であるため、国や地方自治体といえどもその所有権を強制的に奪うことはできません。しかし、所有者不明土地の問題が増えてきている以上、土地の有効な活用も進みません。このような事情から登記の義務化が推進されたのです。

 

 

【どんな制度になるのか】

現行では相続が発生しても登記義務はありませんが、改正案では不動産を取得した相続人に対し、その取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をすることを義務付け、所有者不明土地の発生を予防するとしています。申請しない場合は10万円以下の過料となります。

 

相続登記の申請義務の実効性を高めるため、罰則だけでなく制度面も変更されていきます。

 

例えば相続人申告登記(仮称)が新設される予定です。相続人が登記名義人の法定相続人である旨を登記所に申し出ることで、相続登記の申請義務を簡易に履行することが可能になります。単独で申告が可能となり、添付する書面も簡略化される見通しです。

 

登記漏れを防止するため、所有不動産記録証明制度(仮称)が新設されます。相続登記が必要な不動産の把握が容易になるよう、特定の者が名義人となっている不動産の一覧を証明書として発行します。

 

さらに所有者不明土地の発生を予防する方策として、住所変更登記も義務化されます。現在は、住所変更登記は義務ではありません。このため、自然人、法人を問わず、転居・本店移転などのたびに登記するのには負担を感じ、放置されがちになっています。住所等の変更登記では2年以内に申請するよう義務付け、罰則も設けられます。

 

海外居住者に対しては、国内の連絡先を登記に記載させることや、外国政府などが発行した身分証明書が添付された公証人等作成の宣誓供述書の提出を求めたりするなど、連絡先の把握や実在確認を容易にします。

 

また、相続土地国庫帰属法案では、相続、遺贈で取得した土地を手放して、国庫に帰属させることを可能とする制度も創設されます。一方で、管理コストの国への転嫁や土地の管理をおろそかにするモラルハザードが起こる恐れもあることから、一定の要件を設定し、法務大臣が要件を審査し、10年分の土地管理費相当額の負担金の納付が求められます。

 

そして、民法も改正されます。裁判所の関与の下で、不明共有者等に対して公告などを行った上で、残りの共有者の同意で、共有物の変更行為や管理行為を可能にする制度が創設されます。現行の不在者財産管理人・相続財産管理人は、人単位で財産全般を管理しますが、新たに個々の土地・建物の管理に特化した財産管理制度が創設されることで効率化が図られます。

 

新たな工程表(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/shoyushafumei/dai7/kettei.pdf)では「施行準備(一部を除き、公布から2年程度で施行)」と示してあります。

 

国土交通省では、この民事基本法制の見直しや、昨年3月に公布・施行された土地の適正な「利用」「管理」の確保の必要性等を明確化した改正土地基本法を踏まえ、同会議に「所有者不明土地特措法施行3年経過の見直しに向けた検討」の資料を提出しています。

 

主な検討事項(素案)として①所有者不明土地の円滑な利活用を測るための仕組みの拡充、②管理不全土地の適正管理を図るための仕組み、③低未利用土地の円滑な利活用を図るための仕組み、④民法等の改正内容を踏まえた所有者不明土地等に対する行政の関与の仕組み、が盛り込まれています。新たな工程表では、「今年12月頃をめどに取りまとめ、22年に必要な制度見直し等を実施する」ことが示されました。

 

 

所有者不明土地をきっかけに大きく制度が変わっていきます。まずは、自分や家族、あるいは親などが使用している土地、あるいは先祖からの土地などの所有者は、現状に即した登記になっているかの点検は必要ではないでしょうか。

 

自分は今は所有者ではなくても、相続によって、自分が関わるであろう土地の所有者が現状に即していなければ、いずれ自分が相続で関わる際に、難しい問題を抱えることになってしまいます。

 

まずは点検を。

 


この記事は終活を考えている人、終活をやっている人のために、参考になればと書かれています。終活について、ご質問、ご相談があれば、お気軽に「終活について教えて欲しい」とご連絡ください。「終活」のアドバイザーがお答えします。あなたの大切な「終活」を充実した「終活」にしていただくために、終活のアドバイスさせていただきます!

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