【相続】相続開始と銀行預金

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相続・終活マガジン

【相続】相続開始と銀行預金

2021/08/17

【相続】相続開始と銀行預金

【金銭債権も遺産分割の対象になる】

相続財産の中には、故人(被相続人)が生前から銀行などに預けていた預貯金口座の金銭も含まれます。預貯金口座について、都市銀行などは預金口座と呼び、ゆうちょなどは貯金口座と呼びます。

 

そして、預貯金口座からの金銭の引き出しは、法律的には「預貯金払戻請求権」(預貯金債権)の行使と扱われるため、預貯金債権は金銭債権(金銭の支払いを受ける権利のこと)にあたります。土地などの不動産や現金(お札や硬貨)などは物理的に分割できませんから、相続が発生した時点で、相続人全員が共同して所有するという暫定的な状態を認めた上で、最終的にどの相続人に不動産を帰属させるのかを、遺産分割協議などを経て決定します。

 

これに対し、金銭債権は物理的に分割が可能です。たとえば、100万円の貸金債権(借金の返済を求める権利のこと)は、50万円の貸金債権2つに分割することができます。この点から、金銭債権は遺産分割の対象に含まれず、相続発生と同時に、各相続人の相続分に応じて当然に分割されるものと扱うのが原則です。過去の最高裁判例は、預貯金債権も金銭債権なので、遺産分割の対象から除外され、各相続人の相続分に応じて当然に分割されるとしていました。

 

しかし、私たちの日常生活において、預貯金債権は現金とほぼ同じように扱われています。また、預貯金債権を遺産分割の対象に含めることで、相続財産の分割に際して、1円単位での細かい調整が可能になります。そのため、現在の最高裁判例は、現金と同じく、預貯金債権を遺産分割の対象に含めるというように立場を変更しています。

【遺産分割が終わるまで預貯金口座が凍結される】

現在は、預貯金債権が遺産分割の対象に含まれますので、遺産分割が終了するまでの間、特定の相続人が故人(被相続人)の預貯金債権を勝手に引き出すことは、原則として認められません。預貯金債権の引き出しに現れた相続人が、遺産分割協議などを経て、最終的にその預貯金債権を取得するという保証がないからです。

 

そのため、銀行などは、遺産分割が終了し、最終的に預貯金債権の帰属先が決定するまで、預貯金債権の引き出しに応じない(預貯金口座を凍結する)という対応をとることが認められています。

 

もっとも、最高裁判例の変更によって預貯金債権を遺産分割の対象に含めるという扱いになる前から、銀行などは、被相続人の預貯金口座について、被相続人の名義のままでは引き出しに応じず、これを引き継ぐ人が確定する(複数人で引き継ぐ時はその割合も確定する)まで口座を凍結するとの運用をしていました。とくに相続発生時に預貯金債権における債権者(相続人や受遺者)が複数人になると、権利関係が複雑化する恐れがあるためです。このような運用にお墨付きを与えたのが、変更後の最高裁判例だといえます。

 

【口座凍結を解除するには】

相続人が、被相続人の銀行などの預貯金口座凍結を解除するには、遺産分割を終了させることが必要です。遺産分割が終了した後は、特定の相続人が預貯金債権を確定的に取得することから、銀行などが複雑な権利関係の判断に巻き込まれるおそれがなくなるためです。

 

ただし、すべての相続財産についての遺産分割が終了する前に、相続人が預貯金債権を引き出す方法もあります。具体的には、一部分割の方法によって、銀行などに対する預貯金債権の遺産分割を先に終了させておくことで、すべての相続財産に関する遺産分割の終了前に、預貯金口座の凍結を解除することができます。

 

【預貯金の仮払いを認める制度ができた】

遺産分割が終了するまで、被相続人の預貯金口座が凍結されてしまうことで、相続人に負担が生じる場合があります。

 

たとえば、相続人が被相続人の預貯金債権を使って、被相続人の葬儀などの費用に充てたいと考えている場合です。この場合、ある程度時間が必要になる遺産分割が終了しなければ、常に預貯金債権の払戻しを受けられないとすると、葬儀などをする上で障害になります。

 

相続財産には、被相続人の死亡後の相続人の生活保障という役割があります。そのため、相続人が生活費などに切迫した事情がある時にも、預貯金債権をまったくしようできないとなると、この役割に反する結果につながりかねません。

 

そこで、2018年の相続法改正に伴う改正家事事件手続法により、相続人が相続債務(被相続人の生前に第三者に負っていた債務のこと)の返済や、相続人の生活費などに充てるため、遺産分割の対象である預貯金債権を使用する急迫の必要が生じた場合は、家庭裁判所に保全処分を求めることで、相続人は預貯金債権の仮払いを受けることができます。これを預貯金の仮分割処分と言います。なお、仮処分の申立てができるのは、家庭裁判所に遺産分割の審判や調停を申し立てている場合に限られます。

 

さらに、2018年の相続法改正により、家庭裁判所に遺産分割の審判や調停を申し立てていなくても、預貯金債権の仮払いが認められる場合があります。

 

つまり、被相続人の葬儀や相続人の生活費に充てる必要がある場合、相続開始時の預貯金債権額の3分の1に、その相続人の法定相続分を掛けた金額のうち、150万円を上限として、銀行などへ直接、預貯金債権の仮払いを求めることができます。

【銀行預金などの名義変更の方法は】

預貯金債権に関する遺産分割協議が成立した場合、相続人は、被相続人名義になっている預貯金口座について、預貯金債権を取得した相続人の名義に変更することが必要です。この相続人は、銀行などが指定する名義変更依頼書に被相続人や相続人の戸籍謄本、遺産分割協議書などの必要書類を添付して、名義変更を請求します。

 


この記事は相続を考えている人、又は相続の対策を考えている人のために、参考になればと書かれています。相続について、ご質問、ご相談があれば、お気軽に「相続について教えて欲しい」とご連絡ください。「相続」のアドバイザーがお答えします。あなたの大切な「相続」をより良き「相続」にしていただくために、相続のアドバイスさせていただきます!

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